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壱号ブログ

雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。

   

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岡田さんと永井さん、何センチ差なんだろう。。。。

「忘れえぬ初恋」というサブタイだったから、ラブパート一色になるのでは? と危惧しておりましたが、小寺家の情勢、官兵衛の初陣に重点を置いていて、かなり好感触でした。

今回から、近習として小寺家に上がることになった官兵衛。

「我らは外様。信用され切っているわけではない。信用を勝ち取るために、大いに働け。されど、出過ぎた真似はするな。出る杭は打たれる」

かなり難しいことですが、これが外様の鉄則ですからねぇ。
それでなくても、譜代の家臣たちはいまだによそ者扱いだし、小寺の殿もバカ殿に見えて、官兵衛が碁で勝っただけで「飼い犬が主人に噛みつくんじゃねぇよ」だなんてボソリと言うような人だし。

父ちゃんの教えを守って、出るべきか否か終始窺っている官兵衛の探るような目つきが印象的でした。
(あと、今回初登場のお紺さんが、前回退場した母ちゃんとは別ベクトルの美人さんで、眼福でございました。静謐ながら凛とした感じがとっても素敵)

それに、人質に対しての認識もよかった。
人質は立派なお勤め。それに、母は人質だったけれど、父や家臣たちに大事にされて、決して不幸じゃなかったし、ってね。どっかのスネ夫+のび太÷2の中二病野郎に聞かせてやりt…略

初陣の描き方も好感触でした。
どっかの愛の戦士みたいに逃げ惑って、「人が斬れましぇ~ん(泣)」だなんて血迷ったことほざくこともなく、初陣に緊張する初々しさ、戦場で戸惑う様を出しつつも、しっかり戦況を見ていて、戦果を上げた……いい塩梅だったと思います。

戦が終わった後、無残に転がる死体を見て「戦とは惨うございます」だとか言わせなかったのもよかった。
やはりね、あの時代の武士がそれを言っちゃいけない。

で、サブタイにもなってるおたつとの恋ですが、最後の急展開には吃驚しました。
「私をお嫁さんにして!」発言して、ぶっとい死亡フラグおっ立てるから、てっきり野武士あたりに殺されるのかなとか思ってたけど、黒田家の役に立つために、黒田家の養女になって他家に嫁ぐとは思わなんだ。

ここは、ちょっと急だったかな。おたつの心情が描写不足で……だってほら、雨宿り先でいい感じになった直後だから。
自分が嫁に行かなきゃ、官兵衛がものすごく困るとおたつが思ったとか、自分じゃ官兵衛に釣り合わないと父に諭され、官兵衛への想いを断ち切るために結婚を決意したとか、そういうシーンが欲しかったなぁ。

でも、ここだけでも官兵衛にとっちゃ結構きついのに、祝言の日に嫁ぎ先の城を攻められるとか……今年の脚本家さんもなかなかにドSです。
これでおたつが死んだら官兵衛超トラウマだよなぁ。おたつがどうなったのか、来週が楽しみ(?)


……と、官兵衛サイドは結構楽しく視聴した訳ですが、それよりも私のテンション↑↑↑になったのはやはり、美濃サイドですよ、奥さん!!!(←誰だよ)

信長が落ち武者になってるのには噴きましたが、ちらりとでも有名な信行&土田御前「あんさん鬼や!!!」エピを出してくれたことは嬉しかったしね、何よりね、御屋形様のピンチに必死こいて駆け付けるサル(颯爽とカッコよくじゃないのがミソ)に激萌え!!!!!

「サル、この信長が生きていて嬉しいか」
「はい!!! 御屋形様は我が命でございます!!!!」


きゅ━━━━ハァ(* ´Д`)ハァ━━━━ん↑↑.


いいわぁ!!! やっぱ信長&秀吉主従はこうでないとね、たまらぁん!!!

これは……次回以降、信長の命令で「御屋形様の家来にならない?」と半兵衛をスカウトしに行った秀吉が、半兵衛から「信長じゃなくて、あなたの家臣になるv」と言われた時、どういうリアクション取るか、すっげぇ見物。
ええええ、なんで俺?! 御屋形様になんて言おう!? とサルは狼狽えまくればいいYO!

来週は、どうやら阿濃さんも出てくるご様子。どんな感じか楽しみだなぁ。「いい男じゃなくなったら殺すから」ってな緊張感持ちながらも、膝枕がデフォな夫婦が理想だけど(←どんな夫婦やねん!)




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1月7日22:11 kou様 
いつもコメントありがとうございます。今年の大河、とうとう始まりましたね。しょっぱなの青臭い科白にはドン引きでしたが、子役の子がいいのか、全体的にはよかったですね。そしておっしゃるとおり、せっかくいい子役を見つけてくるんだから、もっと使って欲しいですよね。で、もっと見たかったと言えばお母さん。とても綺麗でしたね。あの人ももっと見ていたかったです。この前、岡田さんがテレビのインタビューで「腹黒と呼ばれているけれど、子どもの頃からそういうわけじゃないですからね」と言っていましたが、さてはてどんな軍師殿になるのか。第二の兼たんにならないよう祈りつつ、今年も試聴していきたいと思います。

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N○Kの子役リサーチ能力は異常

いよいよ始まりました、今年の大河「軍師・官兵衛」。

好きな時代、好きな武将だけに期待せずにはいられないわけですが、記念すべき第一回は……初っ端、藤村さんの独特過ぎるナレと、平清盛で映像が汚いと文句を言った某知事も満足していただけるのではないかというくらい綺麗な映像とともに、映しだされる戦に巻き込まれ、無残に殺された幼女の死体とともにスタート。

おお! これは……風林火山のような世界観戻ってくるか!?! と手に汗握ったのですが、そのすぐ後、小田原城に単身和議を申し入れに赴き、「死ねばそれまで! どうか、命を粗末になさらず!!」と門番たちに叫ぶ官兵衛の図に、電流走る…ッ。

え……もしかしてアポなし、突撃訪問? 官兵衛なら、行ったら何を言わなくても門が開くぐらいの手筈を整えてるもんじゃねぇの? 

そして、この青臭い科白……マジで言ってるのか? それとも……こう言えば、話がスムーズに進むと思って狙って言ってるのか?

少し考えたけど、岡田さんの爽やかっぷりに前者としか思えず……oh。。。

ヤバい……この……臭ぇ……ラブ&ピースの臭いがぷんぷんするぜ状態はまずい。

やはり……私の危惧したとおり、今年の大河の主役は黒田官兵衛じゃなくて、白田官兵衛なのかぁああ と、戦慄したわけですが、万吉くん(官兵衛子ども時代)が嬉ションしたところで盛大に噴く。

ちょw あんな凛々しくてカッコカワイイ子にお漏らしさせて、お漏らし野郎と周りから言わせるなんてw

これ史実なのかな? 私知らないんですが……でも、史実なんだろうなぁ。じゃなきゃ、わざわざこんな設定つけるわけないし。

しかし史実とは言え、こんな設定持ってくるなんて、なかなかチャレンジャーだなぁと、開始早々度肝を抜いてくれた万吉くん。これがねぇ、良かった!

やんちゃないたずらっ子で、問題児で、お漏らし野郎で、体の弱い母ちゃんのために敵の領地に薬草取りに行っちゃうような軽はずみな行動なんかも取ったりしちゃうんですが、演じてる子がね。すっごくいい面構えなんですよ。

目力があって、かしこそうで……特に、野武士を操って父ちゃんを陥れようとしていた奴を目の前にして、冷静な態度を取った場面は、只者ではない感がすごく出ていてカッコ良かった。

だからね……だから、今回でこの子が終わりというのがもったいなさ過ぎる。なんでや! あと二、三回くらいこの子でいいじゃない!!! そう思うくらいよかった。

……って、これ毎年言ってるよな。ホントいつも思うけど、N○Kさんはどっからこういう子探してくるのかしらん? 毎回いい仕事し過ぎや!!!

初恋の女の子もカワイイ感じだったし……って、思ってたけど、この子が「私を万吉様のお嫁さんにしてください!」などと言い出した瞬間、「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」ばりの死亡フラグが立ったような気がして、この子が襲われるたびに死ぬんじゃないかとビクビクしてました。
まぁ今回は生き残ったけれど……次回どうだろう。サブタイも「忘れえぬ初恋」(だっけ?)でものすごく不吉だし。。。

あと、大人たちでいえば、母ちゃん綺麗やなぁと。
病弱幸薄美人って、なんであんなに綺麗なんだろなぁ。まぁそれだけではなく、軽はずみな行動を取った万吉くんをしっかり叱りつけるところもよくて……今回で退場とか残念過ぎる。

父ちゃんは、真面目一徹!!! って感じを柴田さんが好演していてこちらも好印象でした。
この父ちゃんとの素敵な父子愛待ってますv(←父子愛モノスキー心の叫び)

小寺家の面々は、迸る小物臭が何ともいい感じ。ってか、嫌味な同僚が磯辺さんと上杉さんなもんだから、ちょっと毛利元就の尼子家を思い出したり……そして磯辺さん。いつ聞いてもマジいい声(激愛)

で、やっぱりといいますか、何と言いますか……あの人で心躍ってしまいましたよ、竹中秀吉!
やべぇ! 「秀吉」の時の演技そのままだYO! いいわぁ、あの御屋形様スキスキ大好き愛してるオーラ、たまらん!!!(←信長&秀吉主従愛スキーの叫び) 

最近、御屋形様<<<<<(越えられない壁)<<<<<<<お市な秀吉ばかりでうんざりしていたから、このまま御屋形様大好きっ子な秀吉で行ってほしいわぁv

そして、やはり……ちょっとだけでも桶狭間は心躍る!


ということで、小田原で若干引きかけましたが、本編は結構楽しく見れました。ここからどう転がっていくか。ビクビクしながらも次回を楽しみにしたいと思います。



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1月1日20:07 kou様 
いつもコメントありがとうございます。そして、明けましておめでとうございます! こちらこそ、昨年はお付き合いくださいまして、ありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いします! 昨年の拍手ランキング、まさかの崎原氏一位ですwSS自体じゃないのかよって話ですが、あの時はかなり白熱したバトルが私と氏の間で繰り広げられたので、そう言う意味では嬉しいです。おそらく、今年もバトルの連続でしょう(笑)さて今年の大河、脚本家さんのその話……確かにそうなんでしょうが、奥さんや部下に優しいからってその他全員に対してもいい人なわけないと思うんですけどね。人によって態度を変える……それじゃ駄目なのか。頼むから、クリスチャン→博愛主義、ラブ&ピース野郎にならないことを祈るばかりですが……さぁどうなるか。。。

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さようなら、今年

連日くそ寒い日が続いて、大掃除だり何だりが非常にやりづらいこの年の瀬。皆さまはいかがお過ごしでしょうか? また、どんな一年だったでしょうか?


私は今年、なかなか刺激的な一年でした。
新年早々軽い気持ちで「裸執事」に手を出して、阿鼻叫喚な一年のスタートを切ったとか、昨年新しくやってきた小さな親戚に振り回されたり、職場で歴戦の勇者(腐的な意味)とお友達になって、色んな面白BL教えてもらったりねぇ。

創作活動としては、まず三月に「プライスレス・ライフ」を出版していただけて感無量でした。
私を商業の世界に導いてくれた話ですからね。テクノサマタ先生の素敵イラストとともに、日の目を見ることができて、よかったです。

あとは、「羊かぶりの恋」ですね。
あれはもう……今まで書いた中で一番難産でした。出発点は、

抱かれる気満々だったA&B「「抱いてください!!」」→A&B「「ええ?!」」

という、百合的な話がいいわ! だったのにね。ホントに、どうしてああなった? それは書いた本人にさえ謎(←え)

いつも手伝ってくれる友人たちもこの話には大苦戦。

立花氏は「高杉さんは攻がいい!」&「兵が好きになったら負けかな? と思うくらい嫌い!」とか言い張るし、

崎原氏は最初のほうは根気強く付き合ってくれたけれど、最後のほうはノイローゼ状態になって「俺のことは忘れてくれ。あとは一人でこの子を育ててくれ」とか言い出すから、「何言ってるの、あなた! この子はアチシとあなたの子じゃない! 逃げ出すなんて許さないわ!!!」と追いすがり、

勿論、編集さんの頭もしっかり悩ませまくって、今回ようやく形に出来て、こちらも感無量。
小禄先生のカッコいいイラストまでつけていただいてね。良かったよかった。


と、そんなこんなで今年もサイトのほうの更新はあまりできなかったのですが、それでも今年もたくさんの拍手をいただきました。ありがとうございます。

ということで、毎年恒例。皆さまから最も拍手をいただきましたSS、ベスト3を発表!


第3位 モトジマン、諏動くんを膝枕&耳掃除してあげるの回
(「罪人は犬を買う」第五話)

第2位 本島親子、膝枕&耳掃除しながら、ジイジを偲ぶの回
(「罪人は犬を買う」第九話)


膝枕&耳掃除コンボは強いという言葉が実証された結果ですね(笑)
いや、二位は膝枕云々というより、モトジマンと明亮さんがこんなに仲良くなって!!! という感慨深さが強かった感じでしょうか?
ホント……この親子がここまで仲良くなるなんてね、私も想像していませんでした(←え)


そして、栄えある第一位は……


第1位 崎原氏、雨月の洗脳に成功し、板垣×如月のリバ話をスタートさせるの回。
(「これで全部、俺のモノ」プロローグ)

通常の拍手もそうですが、「私が崎原氏に洗脳されて~」ブログ記事への拍手が異常に多かったのでこの表記です(笑)

板垣はこのサイト内で一番男らしい攻ですから、受をさせるだなんて言った日には、阿鼻叫喚なことになるのではとビクビクしていたのですが、こんなにも温かく迎えられるとは想いませんでした。
まぁ、まだ本番シーンが出ているわけではないので、まだまだ油断できませんが(苦笑)

ってか、一位が崎原氏とか……(遠い目)



ということで、こんなサイトに今年もお付き合いくださいまして、ありがとうございました。来年も亀更新になると思いますが、それでもお付き合いいただけますと幸いです。

それでは皆様、よいお年を!




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12月29日13:17 不可解な男が消えてしまうなんて‥orz の方
「不可解な男」へのコメントありがとうございます。そして、申し訳ありません。このたび、諸事情により「不可解な男」は下げることになりました。詳細につきましては、時期をみてサイトにてお知らせさせていただきます。

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色々告知

トップページのほうでもお知らせしておりますが、サイトのお引っ越し先環境が整いましたので、ブックマークをはってくださってる方 は、はり替えをお願いいたします。

新しい『First & Second.』

旧サイトはしばらくは残っていますが、一、二週間後には消えてしまうのでご注意ください。


また、突然ですが、諸事情により当サイトに載せています「不可解な男」シリーズの一部を、来年の1月末に下ろさせていただきます。

下ろす話
・Act.1「不可解な男~多岐川燎の場合~」全話
・Act.2「柊宗一郎の憂鬱~噂と偶像と…~」全話
・Act.3「侵略する男~Booty of you mysterious~」全話
・短編一つ

結構ごっそりですね(苦笑)

諸事情によりサイトから下させていただきますが、詳細につきましては、時期をみてサイトにてお知らせさせていただきます。





>web拍手レス
12月23日02:14 如月ジイジ、頑張って!!やっちゃえwww~ の方
拍手&「掌」SSへのコメントありがとうございます。板垣は、ジイジを勝手に色事に疎いうぶっ子認定していたので、「抱かせろ」と言われると か夢にも思っていませんでした。なので、あの慌てッぷりです(笑)さて、「抱かせろ」と言われて板垣はどうするのか。このまま大人しく抱かれ てやるのか。亀更新ではありますが、次回もお付き合いいただけたらと思います。そして、どうぞよいお年を!



12月23日21:36 kou様 
いつもコメントありがとうございます。頭に血が上ったジイジ。いつも好き勝手されまくってる板垣に果敢に攻め込んでいきました が……おっしゃるとおり、お約束の展開ですといつの間にやらひっくり返されてアンアン言わされてますよね。それでなくても、板垣は口が上手い し、ジイジの弱い箇所を知り抜いていますから(笑)さて、ジイジはこれからどう攻めるか。板垣はどういう反応を示すか。次回もお付き合いいた だけたらと思います。八重の桜総評にもお付き合いいただきありがとうございます。前半があまりにも良すぎたために、後半への評価が非常に辛口 になってしまいました。とはいえ、これまたおっしゃるとおり、今まであまり取り上げられなかった会津視点で幕末を見られたのはよかったです ね。それだけでも十分このドラマは価値があったと思います。次回大河は……どうなんでしょうね。あの爽やかッぷりを見ていると、側室がいなく て、クリスチャンだったってのを全面押しされて、一途で誠実な博愛主義の男!!! とかされたらどうしようと今からガタブルしています。…… 頼むから、「僕は皆が笑って暮らせる天下太平のために天下をとる!!」だなんて、ホワイト官兵衛は勘弁してほしいところですが……さてはて。 読書、私も一時期部屋がすごいことになってたことがあります。一冊だとそうでもないけど、シリーズ買いとか作家買いしてるとみるみる溜まって いくんですよね。で、処分しようと中身を見ると、ついつい読みふけって、まる片付けにならなかったり……悩ましいとこですよね。


拍手

「八重の桜」総評

「次回大河の主役は新島八重です!」と聞いた時、本気で誰それ??? 状態だった、親しみも何もなかった主人公。

おまけに、女主人公にもいい加減うんざりしていたので、「うげぇ、また江みたいな感じにするの? マジ勘弁」と思ったり……とにかく、あまり期待していませんでした。

とはいえ、脚本が私の好きな「ゲゲゲの女房」の人だったので、もしかしたらという淡い期待を込めて視聴したわけですが……




全体的な感想はどう? と言われると、返答に困ります。
なにせこの話、前半(幕末パート)と後半(明治パート)で全くの別物だからです。

時代の移り変わりや舞台が会津から京都に移ったってのもありますが、前半は会津魂、そして武士の苦悩&美学を全面に押し出していたけど、後半は宣教師・新島襄の登場により、キリスト教……博愛精神押しでしたからね(おまけに、脚本家さんまで変わった)カラーが全然違う。

なので、前半後半それぞれで感想を述べますと……


<前半(幕末パート)>

・主人公だからと、八重を変に出張らせなかった。
主人公があまりにも登場(&活躍)しないので、誰が主人公なんだか分からないという批判があったようですが、一介の中級武士の家の娘である八重が政治の世界で活躍するのは不自然な上に、うっとうしいだけですからね。あれでよかったと思います。
それに、身の丈にあったところから世界を見て物事を考えていたし(先のこと知ってて発言してる未来人主人公じゃなかった)、目上の人をちゃんと敬っていたし、自分のできる範囲でコツコツと努力を重ねる姿にも好印象でした。
(ただ、最後まで老けメイクをしなかったのがね……うん)

・政治描写、時代の流れもちゃんと描いていた。
心理描写ばかりに焦点を置きすぎるあまり、政治描写が疎かになっていた最近の大河の中では群を抜いてしっかりしていて、とても見応えがありました。
薩長はじめ、幕府や朝廷の思惑をしっかり描くことで、時代の流れがちゃんと見えましたし、手段を選ばず時流に乗って突き進む面々の手管は面白かったし(特に、二心殿は秀逸)信念を貫き過ぎるあまり時流に乗れず、取り残され、追い込まれていく会津が際だち、とても痛々しかった。
(特に京都落ちしてから会津滅亡までの描き方はすごかったですね。毎週鬱回。けれど、二本松少年隊で本当に少年を使ったところなどに、できるだけ史実通りに描いていこうというスタッフの気迫が見えて、真摯にこの題材に向き合ってるんだなぁとしみじみ思ったものです)

あと、会津を善、薩長は悪みたいな描き方にしなかったのもよかった。
特に、会津戦争にて、二本松少年隊の少年に斬りつけられながら「子どもだ! 斬るな!」と叫んだ薩長のモブ隊長はいまだに忘れられません。あとでちょっと調べてみると、モブ隊長……白井さんというのだそうですが、彼を斬りつけて殺された少年の父親は、少年の墓参りにいくと必ずこの白井さんの墓にも参っていたそうで(白井さんのお墓は会津にある)
こういう人を少しでも登場させたのは、とてもよかったと思います。

やり方や立場は違えど、皆日本のことを思っていた。確かに会津は人として正しいことをしたけれど、上に立つ者としては間違っていた……と、公正な描き方が好感触でした。

・俳優陣が大健闘
八重さんや照姫様など女性陣もよかったですが、男性陣がとにかくよかった。
着物の立ち居姿、武者姿が非常に似合っていたのは勿論のこと、演技もよかった。どんな境遇にあろうと愚直に突き進む兄ちゃん、優男な見た目とは裏腹にしっかり芯の通った強い男・尚さん、滲み出てくる心の清らかさが痛々しいほど麗しかった容保様、浮世離れした品格がありながら、非常に温かい眼差しだった帝、言うことコロコロ変えて裏切りまくるのに、何か恨めなかった二心殿……などなど、それぞれキャラがとても魅力的で毎週ときめいておりました。

・武士をちゃんと描いていた
最近、武士らしい武士にお目にかかっていなかっただけに(「平清盛」は武士よりも私怨が強かった)これが一番、好感が持てた点です。
「戦=悪」、「戦を起こす者=愚か、私利私欲の悪党」、「イクサハイヤデゴザイマスゥ」、「アラソイゴトハスカンキニ」という安っぽい反戦主義を謳うことなく、国のため、主のために戦って死ぬのは誉れという彼らの理論、武士にとって帝は生神様であるという信仰(?)、会津戦争で負けた後、城を明け渡す際に城を綺麗に掃除した気構えなど、丁寧に描かれていたことが、武士が好きな私には好感度大でした。

……ということで、前半は概ね満足です。
贅沢を言うなら、容保様主役でがっつりじっくり京都編を描いてほしかったなと思ったりもするけど、まぁ……八重さんのキャラはよかったし、ずーっと、かく場で銃の改良続ける地味なシーンが続いてからの、銃ぶっ放して大暴れの展開はカタルシスがあったから、いいと思うことにしよう。


<後半(明治パート)>

で、後半なわけですが……正直に申し上げますと、私は後半駄目でした。
この話の趣旨を変えたジョーは好きだし、いいシーンもちらほらあるんですけどね。でも……いくつか、理由を挙げるとすると、

・エピのスケールが小さい
あんなに丁寧に描いていた政治パートはほとんどなりを潜め、取り上げられるのは困った転校生だの学級崩壊だの。。
前半の、時代を変えよう! 日本中敵に回しても、自分たちの誇りを貫いてやる! という壮大なエピに比べてエピが小さ過ぎる。
(一応政治方面で対立する相手として槇村さんを出してはいましたが、二心殿のキレッぷりに比べると月とすっぽんな上に、どういうキャラにしたいのかも全く分からん意味不明キャラになってたしなぁ。。)
おまけに、一話完結にしなければならないノルマでもあるのか、事件が起きても、その回のうちにあっさり解決してしまうものだから、やっつけ感が半端なかった。

・魅力的な人物欠如
エピが小さくても、キャラが魅力的なら気にならなかったのでしょうが、明治以降、出てくる奴皆、好きになれなくて困りました。
「僕たちには他に行くとこないんです。入学させてください」と泣きついてきたくせに、無理を押して受け入れたジョーたちに感謝するどころか「ここの授業は低レベル過ぎて駄目だ」何だと文句言って授業ボイコットする熊本バンドとか、
「浮気女の娘」と陰口叩かれてるのに、堂々と公衆の面前で男といちゃついたり、彼からもらったラブレターを皆の前で読み上げたり、「東京で、彼の小説で食ってくから学校辞める!」とか言い出す考えなしな……おまけに、「おば様、本でも読んで母性の勉強をなさったら?」なんて可愛さの欠片もない久栄とか……
が、それだけ好き勝手反抗しておきながら、その回の最後にはコロッと改心して、「八重先生(おばさま)ごめんなさい。ありがとう」になってるから、余計にもやっとして。。。
まぁ、もうとにかく明治以降に出てくるキャラの大半は苛つくばかりで、共感も好意も抱けませんでした(ジョーとジョーの両親は別)

・博愛主義押しに最後まで馴染めず
これが、後半パートが好きになれなかった最大の理由です。
そもそも、キラキラお花畑のような綺麗事にはいい加減うんざりしていました。
「皆相手のことを思いやれば、戦なんて起こらないわv」とかね。馬鹿なこと言ってンじゃねぇよ、偽善者ども! とここ数年悪態を吐きまくっていた私にとって、「味方も敵も愛しましょう」だの「愛を持って人々に接しましょう」なんていう博愛主義は、非常に耳障りの悪いものでした。
とはいえ、会津戦争を経て、憎しみや偏見を捨てて物事に向き合いたいと思っていた主人公にとって、キリスト教の教えは有効であることは理解していたので、「薩長憎し」の主人公が隣人愛に目覚めるまでの過程に納得できれば、受け入れられたと思うんです。

しかし、↑でも書いてあるとおり、後半パートはとにかく一つ一つのエピソードの扱いが軽く、皆あっという間に改心してしまうため、共感できない。
おまけに隣人愛精神は下手に描くと、前半の武士道精神を否定するものになってしまうから、前半の武士道精神に感銘を覚えた私には、非常に不快なものに映ってしまいました。

その最もたる回が、会津戦争で父親を亡くした女生徒が入学してきた回ですね。

武士が戦で死ぬのは誉れなのに十年も恨みに思う武家の娘に??? だし、会津戦争でどれだけ会津人が悲惨な目にあってたかも知らないで、「よくパパを殺したわね!」と糾弾してくる薩摩人とかどうなのよ? ……と、この女生徒のキャラ設定自体色々首を傾げるものでしたが、そんな相手に速攻で土下座して「申し訳ありませんでした」と謝った八重さんには愕然としました。

後で、八重さんは父親たちを殺された恨みから参戦し、殺してしまったから……と言っていましたが、いや……それだけではなかったでしょう?
会津を守りたい。お殿様に恩返ししたい。会津の名誉を復活させたい。そういう武士道精神があったはずでしょう?
それに、そもそも戦場で出逢っているなら、この人の父親も八重さんを殺しに来てるわけで、殺さなきゃ殺されていたわけで。

また、これはあとで調べて知ったことですが、どうも本来の八重さんは薩摩人に対してわだかまりが拭えず、家でパーティーを開いても、薩摩の人は呼ばなかったとか、晩年、元熊本バンドのメンバーたちが運営する同志社と折り合いが悪くなって、疎遠になったとか、色々あったようです。
そういう、八重さんの拭いきれない心の傷にも、しっかり焦点を当ててほしかったなぁ。
マジ天使な旦那を持ち、自らもキリスト教に帰依したけれど、どうしても捨てられないわだかまり……それを描いてこそ、新島八重さんという人物を描いた意味があったのでは? と思えてしまって。

しかしまぁ……とにもかくにもここで、このドラマは前半丹念に描いてきた武士の世界のありよう、武士道精神を全否定し、江と同じお花畑に旅立ってしまいました。
そしてその後に続く、ぬる~いエピの数々。

青木君だけを悪者にして、さらっと綺麗綺麗に描いた、時栄さん追い出し騒動(時栄さんの演技はよかったんですけどね)
「ならぬものはならぬのだ」と鉄砲撃ちの厳しさを教え込み、「一度やり始めたのなら、引くことは許さない」精神を徹底させた前半などなかったように、「東京行きたい! 彼の小説で食ってく! 学校辞める!」だなんてお花畑全開なこという姪っ子をあっさり許して、「頑張ってねv」…などなど。

いくら相手のありのあままを受け入れて慈しむべきだとしても、どうなのよ、これ。

正しい人の道が時として破滅の道となってしまう皮肉を容赦なく描き、己の主義主張を唱えることは常に命がけ、またそれを覚悟して日々を生きていた幕末描写が好き過ぎただけに、悪くはないんだけどなんかもやもやイライラ。。。。

……というのが、私の率直な感想です。
前半は良かったんだけど……あんな感じで最後までいってほしかったな。
とはいえ、地に足のついた堅実な描き方や、新しい視点から幕末を見るという試みはとても好感が持てましたし、最近にはないほど爽やかな気持ちで完走し終えることができました。


来年はどうなるか。。。
大好きな戦国時代だから、期待せずにはいられないけれど……ゾクゾクするような知略戦、キレッぷり待ってます!!!

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