壱号ブログ
雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。
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「平清盛」総評
「平清盛」を題材にすると聞いた時、くしくも「次作大河は江が主役!」と聞いた時と同じような期待を抱きました。
これまで平家物語など清盛が悪者として描かれることが多かったため、世間からあまりいい印象を抱かれていない清盛のイメージをこのドラマで払しょくできたらなぁと。
で、制作発表の時も制作陣がそれを目指していくと明言しておられたので、期待はますます高まった訳ですが・・・・
>web拍手レス
12月24日22:43 kou様
いつもコメントありがとうございます。大河、清盛が死ぬシーンのSEは確かに私も噴きました。けれど、受け身を全く考えていないあ の倒れ方はマツケンさんの役者魂を感じました。西行は、おっしゃるとおりこの人もやりたい放題の生き方でしたね。出家エピがアレだったり何だ りとかなりのとんでもキャラでしたが、藤木さんの爽やかさで押し切ったって感じでしょうか? 盛国はホント生き切ったよなぁって感じでしたよ ね。清盛の生き様も清盛が築き上げた平家の末路も全て見届けて……悔いのない人生だったでしょうね。時子は……紫の上ってなんか違うくね? と思わなくもないですが、確かに尼姿はとても似合ってましたよね。安徳帝を抱いて海に飛び込むシーンもやはりグッとキましたし。後は…まぁ総 括に語っているので省くとして、なんだかんだで今年も完走しましたね。お疲れ様です! 来年は……どうなるでしょうねぇ? 全く馴染みのない 人物が主役で不安なんですが……面白いといいですね!
これまで平家物語など清盛が悪者として描かれることが多かったため、世間からあまりいい印象を抱かれていない清盛のイメージをこのドラマで払しょくできたらなぁと。
で、制作発表の時も制作陣がそれを目指していくと明言しておられたので、期待はますます高まった訳ですが・・・・
>web拍手レス
12月24日22:43 kou様
いつもコメントありがとうございます。大河、清盛が死ぬシーンのSEは確かに私も噴きました。けれど、受け身を全く考えていないあ の倒れ方はマツケンさんの役者魂を感じました。西行は、おっしゃるとおりこの人もやりたい放題の生き方でしたね。出家エピがアレだったり何だ りとかなりのとんでもキャラでしたが、藤木さんの爽やかさで押し切ったって感じでしょうか? 盛国はホント生き切ったよなぁって感じでしたよ ね。清盛の生き様も清盛が築き上げた平家の末路も全て見届けて……悔いのない人生だったでしょうね。時子は……紫の上ってなんか違うくね? と思わなくもないですが、確かに尼姿はとても似合ってましたよね。安徳帝を抱いて海に飛び込むシーンもやはりグッとキましたし。後は…まぁ総 括に語っているので省くとして、なんだかんだで今年も完走しましたね。お疲れ様です! 来年は……どうなるでしょうねぇ? 全く馴染みのない 人物が主役で不安なんですが……面白いといいですね!
まず、このドラマで好感を持ったところ。
・主人公を悪者として描くことも辞さなかった。
この姿勢はとてもよかったと思います。昨今の大河は何をやらかそうが(または、実際やった残虐行為を全部なかったことにして)主人公は常に正 しく、絶対正義!! で、「教祖(主人公)様サイコー!」と気持ち悪いマンセーの元、主人公教が横行していましたが、今回の大河にはそういう ことがなかった。
悪いことしたら、ちゃんと悪いことしたって描いていたし、主人公が間違ったことをすれば、周囲はドン引き。または苦言を呈していましたから ね。あの、主人公だからと甘やかさない感じはよかった。
あと、主人公がちゃんと腹黒い考えをしていたところもよかったな。最近の主人公は是が非でも綺麗事だけで押し通そうとしていたから。
・夥しい数の伏線
これはこのドラマ最大の特徴ですね。何気ない会話から小物まで、後々必ず絡んでくる。「ああ、これはここに繋がるのか!」と驚くことが何度も あって面白かったです。
それに、言葉には出さないけど、思い出の小物を上手く使って情感を演出するのも好きでした(水仙とかオウムとかオウムとかオウムとか)
・登場人物への愛が感じられた
大河ドラマは登場人物が多いだけに、キャラを使い捨てることがざらなのですが、このドラマはキャラへの愛が端々に見えました。退場するまでに 必ず見せ場を作ってあげるとか、主人公とは敵対する立場にあってもただの悪役として描くのではなく、人間臭く描いてあげたりとか。そのおかげ で、忠盛、崇徳院や忠正おいたん。為義&義朝親子、信西などなど物悲しくも味のあるキャラや名シーンが生まれたんだと思います。
・とにもかくにもゴーイング・マイウエイ!
まぁ「映像が埃っぽくて汚い」などの苦情は後々聞き入れていたりしましたが、あれだけの風評をモノともせず自分たちのスタンスを最後まで曲げ ずに貫き通した潔さ、清々しさを最終回で強く感じました。
最近の大河は批判が面倒だから、当たり障りないもんにしとうこうぜっていう、後ろ向きな印象を受けることが多くあったので、この熱意は好印象 でした。
ということで、何も褒めるところがなかった去年と違い、今年は思い返せばいいところが色々出て来ます。
忘れられない名場面もいくつかあります。
……が! 悪いところも多いってのが、このドラマの特徴といいますか。。。。
まぁ……悪いところは↑のいいところが全部裏目に出た場合が多いんですけどね。
・主人公が魅力不足
私の勝手な好みの問題なんですが……もうね、これが一番きつかった。
主人公の志「面白く生きる」「新しい国づくり」が非常に抽象的だったために、彼の信念のありかがよく分からなく て、ブレブレな人に見えてしまったのがなぁ。お前は一体何を目指してるんだと、何度も首を傾げてしまいました。
あと、白河院のご落胤という設定も生かし切れていなかった……いや、生かせてないってか、ぶっちゃけこの設定は完全なる失敗だった気がしま す。
清盛が特別待遇受けるのはご落胤だから。ゴッシーと引かれあうのは血のため。清盛が最後狂っちゃったのももののけの血が云々……と、何もかも 全部は血のせいだ! の一点張りで片付けるのは説得力なさ過ぎだろうってのは元より、この設定のせいで、清盛が重度の中二病をこじらせてし まったのがねぇ。。。
視聴者が離れていったのは、清盛の中二病がなかなか治らなかったことが大きいと思うんですよね。こちらとしては、貴族の世である政界に知略を 駆使してのし上がっていく清盛が見たいのに、「俺は何者なのだ?!」だの「誰にも俺の気持ちなんか分からねぇ!」だの延々喚きたてて、周囲に 迷惑をかけて……これが一二話で終わればよかったんですが、話の中頃まで引っ張りましたからね。
しかも、この病は最後まで度々再発したものだから、「こいつ、ほんまガキやなぁ」「自分のことばっかりやなぁ」感が拭えなかった。マツケンさ んがそのつどちゃんと演技を変えては来てたんですけどね、どうも成長していないっていうか。
それと、特に後半なんですが、視聴者が主人公の心に到底寄り添えないような描き方をしているのも気になりました。仮にもこのドラマの主役なの に、後半にきて「この老害野郎!」と思われるのって、可哀想過ぎませんか?
こうしてみると、このドラマは主人公の扱いがぞんざいだったのかなぁと思います。脇役はめいっぱい愛のある描写なのにね。不思議。
・伏線張りと伏線回収に勤しむあまり、その他がおろそかに
伏線は確かに面白かったのですが、いかんせん数が多過ぎました。
そのせいで、張ったら張りっぱなしで後は完全放置。忘れた頃にいきなり回収ってことが結構多くて、ぶつ切り感 が半端なかった。なんと言いますか、エピを育てないと言いますか、起承転結の承と転がないと言いますか……。
例えば、兎丸。親の仇である平家でありながら、清盛のやり方を面白いと思ってついてきた。なのに、いつしか二人はすれ違い決別し兎丸は非業の 最期を遂げる……という、「起」と「結」はちゃんと繋がっているのですが、その間がないんです。
清盛とのツーショットはたびたびありましたが、ただ何となく一緒にいるだけか、無茶な仕事押しつけられて「えええ」って言ってるだけで、身分 を超えた盟友っぷりだとか、常々清盛のやり過ぎ行為に苦言を呈していた清盛のストッパーっぷりだとか、清盛のやり方にだんだんついていけなく なっていたけど、我慢していた描写などが一切ない。その状態で、修繕工事のこと一点のみで抗議し喧嘩別れしても、いまいち哀しみが伝わってこ ないし、「今、盟友・兎丸がいてくれたら、清盛を止めてくれたのに…」とか言われても説得力がない。
と、まぁこれはまだいいほうで、酷くなると、別の伏線を回収するためにキャラが破綻してしまった、なんてこともありました。
その代表格が重盛ですね。
重盛は清盛とゴッシーの双六遊び(笑)の駒として散々弄ばれました。清盛からは「清盛スゲー」のための踏み台にされ「お前はただ俺の言われた とおり動いてりゃいんだ」と単なる駒認定され、ゴッシーからは「あいつって小物だよな」と影で馬鹿にされるばかりで、重盛が清盛とゴッシー二 人から可愛がられた描写が一切ありませんでした。
それだってのに、自分にとって大恩人であり、めいっぱい可愛がってくれた清盛とゴッシー、どちらにも味方できないと重盛に泣かれても「こいつ は何を言ってるんだ…」としか思えない。ぶっちゃけ人格破綻、好意的に見ても真性のどMとしか思えない(あそこだけ切り取ればいいシーンなんですけどね)
そうして、私がこのドラマ中最も嫌悪した重盛臨終シーン。
……ええ。そりゃ、立派な伏線回収でしたよ? 「起」と「結」が繋がってましたよ? でもね、あの伏線を回収するために、このドラマは色んな ものをドブに捨ててしまいました。
その尤もたるものが清盛への同情心です。あれ以来、清盛がどんな可哀想な目に遭おうが同情なんかできなかったし、清盛の口から恥ずかしげもな く重盛って名前が出たり、清盛って身内を大事に想ってるんだぜ! アピを出されるたびに失笑してしまいました。だから、最終回のカタルシスな んかありゃしなかった。
インパクトのある伏線&伏線回収はいいんですが、それをすることによって後々起こる影響も考えて欲しかったです。
で、それとは逆にうざいくらいに多用される伏線もありました。
「サイコロ」「双六遊び」、それから「遊びをせんとや~♪」あれらはもう……しつこ過ぎて、お腹いっぱいでした。
・政治描写<<<<<<<<<心理描写
登場人物が多く、話が入り組んでいて分かりづらいとクレームが来たから、事象を分かりやすくしようとした結果だとは思うのですが、それで も……あまりにも政治描写が少な過ぎました。
それぞれの力関係、派閥、政治的思惑などそういう説明がほとんどない。そのくせ、「あいつ嫌い!」とか「パパが僕を愛してくれない!」とかそ ういう感情論ばっかり全面に出すものだから、何だか昼ドラかホームドラマ見てるみたいで、話のスケールが何とも小さいものになってしまってい ました。
(特に、天皇家はそれが顕著でしたね。ぶっちゃけ政治なんかほとんどしてないだろ! ってほど。鳥羽ちゃんはタマちゃんとのアブノーマルプレイ で忙しかったし、ゴッシーは清盛との双六遊びとやらで忙しかったしで……仕事しろよ、あんたら! 状態。さらには、「旦那の爺さんと寝てたあ ばずれ!」だの「こいつは妻への腹いせに息子の女を横取った!」だの、公衆の面前で家族間の醜態を晒し過ぎてて……あれもないよなぁと思いま した。いくらドラマとは言っても、現在でも日本の象徴である天皇家を愚弄し過ぎではないかと。私でもそう思うくらいですから、年配の方々は もっと嫌な気持ちになったんじゃないかしらん。。)
あと、結局頼朝を語り部にした理由って何だったんだろうと思いました。最後、頼朝が鎌倉幕府を開いたことによって武士の世がなった! と締め れば、まだ分からんこともなかったんですが、「ゴッシー死んだ9年後に俺も死んじゃってさ。結局、清盛の目指した異国との交易がなったのは、 室町になってからで~」なんて締めるから、「はぁ?」となってしまって。。
え? なに、頼朝って清盛の意志を継いで成し遂げた者的ポジションだったんじゃないの?? だから、頼朝を語り部に据えたんじゃないの?? そうじゃなかったら、頼朝が語り部になった意味って結局何だったの??????????
ということで、色々ぶーぶー言ってきた訳ですが、つまり何が言いたいのかと言うと、「悪人という清盛のイメージを払拭させたい」というこのドラマ最大のコンセプトは失敗だったんじゃないかってことです。
先人たちへの敬意は感じられるし、その時代の価値観を大切にしている感じはしたし、キャラに対する愛も見えたけれど、肝心の清盛の魅力が見えなかった。
それどころか、後半は完全に頼朝が主役扱い、正義のヒーローポジで、清盛は安っぽい悪党にしか見えなくて、このドラマは何が描きたいんだろうと訳が分からなくなって。。。
と、全体的に考えると非常に残念なんですが、前述したとおり部分的に見るとすごくよかったです! 感動したことも何度もあったし。
感動的だ! と思った次のシーンで、ふざけんじゃねぇよ、くそ! と舌打ち……なかなか忙しいドラマでした(笑)
……というのが、私の総括です。長々と書きましたが、ここまで読んでくださった方……そして、この一年間私の大河感想に付き合ってくださった方、ありがとうございました!
・主人公を悪者として描くことも辞さなかった。
この姿勢はとてもよかったと思います。昨今の大河は何をやらかそうが(または、実際やった残虐行為を全部なかったことにして)主人公は常に正 しく、絶対正義!! で、「教祖(主人公)様サイコー!」と気持ち悪いマンセーの元、主人公教が横行していましたが、今回の大河にはそういう ことがなかった。
悪いことしたら、ちゃんと悪いことしたって描いていたし、主人公が間違ったことをすれば、周囲はドン引き。または苦言を呈していましたから ね。あの、主人公だからと甘やかさない感じはよかった。
あと、主人公がちゃんと腹黒い考えをしていたところもよかったな。最近の主人公は是が非でも綺麗事だけで押し通そうとしていたから。
・夥しい数の伏線
これはこのドラマ最大の特徴ですね。何気ない会話から小物まで、後々必ず絡んでくる。「ああ、これはここに繋がるのか!」と驚くことが何度も あって面白かったです。
それに、言葉には出さないけど、思い出の小物を上手く使って情感を演出するのも好きでした(水仙とかオウムとかオウムとかオウムとか)
・登場人物への愛が感じられた
大河ドラマは登場人物が多いだけに、キャラを使い捨てることがざらなのですが、このドラマはキャラへの愛が端々に見えました。退場するまでに 必ず見せ場を作ってあげるとか、主人公とは敵対する立場にあってもただの悪役として描くのではなく、人間臭く描いてあげたりとか。そのおかげ で、忠盛、崇徳院や忠正おいたん。為義&義朝親子、信西などなど物悲しくも味のあるキャラや名シーンが生まれたんだと思います。
・とにもかくにもゴーイング・マイウエイ!
まぁ「映像が埃っぽくて汚い」などの苦情は後々聞き入れていたりしましたが、あれだけの風評をモノともせず自分たちのスタンスを最後まで曲げ ずに貫き通した潔さ、清々しさを最終回で強く感じました。
最近の大河は批判が面倒だから、当たり障りないもんにしとうこうぜっていう、後ろ向きな印象を受けることが多くあったので、この熱意は好印象 でした。
ということで、
忘れられない名場面もいくつかあります。
……が! 悪いところも多いってのが、このドラマの特徴といいますか。。。。
まぁ……悪いところは↑のいいところが全部裏目に出た場合が多いんですけどね。
・主人公が魅力不足
私の勝手な好みの問題なんですが……もうね、これが一番きつかった。
主人公の志「面白く生きる」「新しい国づくり」が非常に抽象的だったために、彼の信念のありかがよく分からなく て、ブレブレな人に見えてしまったのがなぁ。お前は一体何を目指してるんだと、何度も首を傾げてしまいました。
あと、白河院のご落胤という設定も生かし切れていなかった……いや、生かせてないってか、ぶっちゃけこの設定は完全なる失敗だった気がしま す。
清盛が特別待遇受けるのはご落胤だから。ゴッシーと引かれあうのは血のため。清盛が最後狂っちゃったのももののけの血が云々……と、何もかも 全部は血のせいだ! の一点張りで片付けるのは説得力なさ過ぎだろうってのは元より、この設定のせいで、清盛が重度の中二病をこじらせてし まったのがねぇ。。。
視聴者が離れていったのは、清盛の中二病がなかなか治らなかったことが大きいと思うんですよね。こちらとしては、貴族の世である政界に知略を 駆使してのし上がっていく清盛が見たいのに、「俺は何者なのだ?!」だの「誰にも俺の気持ちなんか分からねぇ!」だの延々喚きたてて、周囲に 迷惑をかけて……これが一二話で終わればよかったんですが、話の中頃まで引っ張りましたからね。
しかも、この病は最後まで度々再発したものだから、「こいつ、ほんまガキやなぁ」「自分のことばっかりやなぁ」感が拭えなかった。マツケンさ んがそのつどちゃんと演技を変えては来てたんですけどね、どうも成長していないっていうか。
それと、特に後半なんですが、視聴者が主人公の心に到底寄り添えないような描き方をしているのも気になりました。仮にもこのドラマの主役なの に、後半にきて「この老害野郎!」と思われるのって、可哀想過ぎませんか?
こうしてみると、このドラマは主人公の扱いがぞんざいだったのかなぁと思います。脇役はめいっぱい愛のある描写なのにね。不思議。
・伏線張りと伏線回収に勤しむあまり、その他がおろそかに
伏線は確かに面白かったのですが、いかんせん数が多過ぎました。
そのせいで、張ったら張りっぱなしで後は完全放置。忘れた頃にいきなり回収ってことが結構多くて、ぶつ切り感 が半端なかった。なんと言いますか、エピを育てないと言いますか、起承転結の承と転がないと言いますか……。
例えば、兎丸。親の仇である平家でありながら、清盛のやり方を面白いと思ってついてきた。なのに、いつしか二人はすれ違い決別し兎丸は非業の 最期を遂げる……という、「起」と「結」はちゃんと繋がっているのですが、その間がないんです。
清盛とのツーショットはたびたびありましたが、ただ何となく一緒にいるだけか、無茶な仕事押しつけられて「えええ」って言ってるだけで、身分 を超えた盟友っぷりだとか、常々清盛のやり過ぎ行為に苦言を呈していた清盛のストッパーっぷりだとか、清盛のやり方にだんだんついていけなく なっていたけど、我慢していた描写などが一切ない。その状態で、修繕工事のこと一点のみで抗議し喧嘩別れしても、いまいち哀しみが伝わってこ ないし、「今、盟友・兎丸がいてくれたら、清盛を止めてくれたのに…」とか言われても説得力がない。
と、まぁこれはまだいいほうで、酷くなると、別の伏線を回収するためにキャラが破綻してしまった、なんてこともありました。
その代表格が重盛ですね。
重盛は清盛とゴッシーの双六遊び(笑)の駒として散々弄ばれました。清盛からは「清盛スゲー」のための踏み台にされ「お前はただ俺の言われた とおり動いてりゃいんだ」と単なる駒認定され、ゴッシーからは「あいつって小物だよな」と影で馬鹿にされるばかりで、重盛が清盛とゴッシー二 人から可愛がられた描写が一切ありませんでした。
それだってのに、自分にとって大恩人であり、めいっぱい可愛がってくれた清盛とゴッシー、どちらにも味方できないと重盛に泣かれても「こいつ は何を言ってるんだ…」としか思えない。ぶっちゃけ人格破綻、好意的に見ても真性のどMとしか思えない(あそこだけ切り取ればいいシーンなんですけどね)
そうして、私がこのドラマ中最も嫌悪した重盛臨終シーン。
……ええ。そりゃ、立派な伏線回収でしたよ? 「起」と「結」が繋がってましたよ? でもね、あの伏線を回収するために、このドラマは色んな ものをドブに捨ててしまいました。
その尤もたるものが清盛への同情心です。あれ以来、清盛がどんな可哀想な目に遭おうが同情なんかできなかったし、清盛の口から恥ずかしげもな く重盛って名前が出たり、清盛って身内を大事に想ってるんだぜ! アピを出されるたびに失笑してしまいました。だから、最終回のカタルシスな んかありゃしなかった。
インパクトのある伏線&伏線回収はいいんですが、それをすることによって後々起こる影響も考えて欲しかったです。
で、それとは逆にうざいくらいに多用される伏線もありました。
「サイコロ」「双六遊び」、それから「遊びをせんとや~♪」あれらはもう……しつこ過ぎて、お腹いっぱいでした。
・政治描写<<<<<<<<<心理描写
登場人物が多く、話が入り組んでいて分かりづらいとクレームが来たから、事象を分かりやすくしようとした結果だとは思うのですが、それで も……あまりにも政治描写が少な過ぎました。
それぞれの力関係、派閥、政治的思惑などそういう説明がほとんどない。そのくせ、「あいつ嫌い!」とか「パパが僕を愛してくれない!」とかそ ういう感情論ばっかり全面に出すものだから、何だか昼ドラかホームドラマ見てるみたいで、話のスケールが何とも小さいものになってしまってい ました。
(特に、天皇家はそれが顕著でしたね。ぶっちゃけ政治なんかほとんどしてないだろ! ってほど。鳥羽ちゃんはタマちゃんとのアブノーマルプレイ で忙しかったし、ゴッシーは清盛との双六遊びとやらで忙しかったしで……仕事しろよ、あんたら! 状態。さらには、「旦那の爺さんと寝てたあ ばずれ!」だの「こいつは妻への腹いせに息子の女を横取った!」だの、公衆の面前で家族間の醜態を晒し過ぎてて……あれもないよなぁと思いま した。いくらドラマとは言っても、現在でも日本の象徴である天皇家を愚弄し過ぎではないかと。私でもそう思うくらいですから、年配の方々は もっと嫌な気持ちになったんじゃないかしらん。。)
あと、結局頼朝を語り部にした理由って何だったんだろうと思いました。最後、頼朝が鎌倉幕府を開いたことによって武士の世がなった! と締め れば、まだ分からんこともなかったんですが、「ゴッシー死んだ9年後に俺も死んじゃってさ。結局、清盛の目指した異国との交易がなったのは、 室町になってからで~」なんて締めるから、「はぁ?」となってしまって。。
え? なに、頼朝って清盛の意志を継いで成し遂げた者的ポジションだったんじゃないの?? だから、頼朝を語り部に据えたんじゃないの?? そうじゃなかったら、頼朝が語り部になった意味って結局何だったの??????????
ということで、色々ぶーぶー言ってきた訳ですが、つまり何が言いたいのかと言うと、「悪人という清盛のイメージを払拭させたい」というこのドラマ最大のコンセプトは失敗だったんじゃないかってことです。
先人たちへの敬意は感じられるし、その時代の価値観を大切にしている感じはしたし、キャラに対する愛も見えたけれど、肝心の清盛の魅力が見えなかった。
それどころか、後半は完全に頼朝が主役扱い、正義のヒーローポジで、清盛は安っぽい悪党にしか見えなくて、このドラマは何が描きたいんだろうと訳が分からなくなって。。。
と、全体的に考えると非常に残念なんですが、前述したとおり部分的に見るとすごくよかったです! 感動したことも何度もあったし。
感動的だ! と思った次のシーンで、ふざけんじゃねぇよ、くそ! と舌打ち……なかなか忙しいドラマでした(笑)
……というのが、私の総括です。長々と書きましたが、ここまで読んでくださった方……そして、この一年間私の大河感想に付き合ってくださった方、ありがとうございました!
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