信西の胡散臭さレベル、どんどん上がってくなぁ

清盛、叔父さんを斬ったことで覚醒した！！　みたいな回だった前回。頼むから、今回で即お花畑に逆戻りとか止めてくれよ！　と思っていたのですが……今回も退行することなく、棟梁棟梁していて嬉しい限り。

いやぁやっぱり、主人公が知略を巡らせのし上がっていく展開は燃えます。

最近の大河は知略も糞もなく、ただアポなし突撃訪問して、「義義義」「愛愛愛」「ニッポンジンですきに！」「私は織田信長の姪ぞ！」などという魔法の言葉を唱えながら、涙を流したり、土下座したり、偉そうにふんぞり返れば全部話が通ってしまうという超ヌルゲー仕様だっただけにね。

叔父を殺させた男と組んで出世を目指したり、政局の面ではパートナーとはいえ、常に腹を探り合ったり……うむ、やっぱ大河主人公になるからにはこれくらいの黒さがないと面白くありません。

あと、武士の世を創るという一族の悲願のためだとか、叔父さんを斬ってまでして選んだという、もう後戻りは許されない感じなど、重いモノを背負っての、っていうのもいい。
その身に背負っているものが重ければ重いほど、カッコよく見えますからね。
（背負っているものの重さ……これについては、先週見事に描いていましたからね。清盛も義朝もそれぞれ前よりずっとかっこよく見えました）

清盛……あんな糞ガキのＤＱＮがこんな立派になって……（涙）
問題児期間があまりにも長過ぎただけに、感慨ひとしお！

お前が言うな！　と言いたくなる瞬間もありましたが（笑）、命令のままに叔父を斬り、叔父を殺すよう命じた男とつるむ清盛が理解できず、「そんなオヤジの跡を継ぐ覚悟が持てねぇ！」と泣きごとをいう重盛に容赦なく、「お前のそんな戯言に付き合ってる暇はない」とばっさり切って捨てたとこは、とても様になっておりました。

ってか、マツケンさんは貴一さんを意識して演技してるのかしらん。前回もそうだったけれど、今回も忠盛と重なる瞬間が何回かあって……父上のようになりたいって言ってたしなぁ。そう思うと、これも感慨深い。
（ただ、これ……多分、最終的には白河院のようになっていくんでしょうね。その変遷もどうなっていくのか楽しみです）

で、義朝。こちらも玉木さんがコヒさんを意識してるのか。為義さんと重なる部分が結構多かったです。顔は全然似てないのにね。なんという不思議！
でも、羨望と苛立ちと嫉妬入り混じる表情で憎憎しげに清盛を見る様や、何も持たずアポなし突撃訪問をして取り立ててくれるよう頼み込む様はまさにかつての為義さんそのもので……義朝は改めて父ちゃんの苦労や苦悩を思い知ったのではないでしょうか。
なのに、「父親を斬るなんてなんとおぞましい」と陰口を叩かれて……あの時代、父殺し異例中異例だったとはいえ、可哀想でしかたない。ホントは斬りたくなんてなかったのに。。。

しかも、痛いことに義朝はなんで自分がこんなに冷遇されるのか、理解してしまっている。対局が見えるゆえの絶望感、虚しさは計り知れないでしょう。けれど、それでも突き進むしかないという悲壮感がまた、哀しくもカッコイイ訳で……。

と、武士サイドは背負わされた重荷に歯を食いしばりながらも前に進んでいくわけですが、貴族サイド……ってか、後白河……ゴッシーのズレっぷり、浮世離れっぷりがまさにそれの対局でこれはこれで面白い。

やっぱ突き抜けるならとことん突き抜けていただかないとね。とはいえ、ここ最近思うけど、ゴッシーはホントに変態プレイ大好きっ子・鳥羽ちゃんの子だよなぁ（笑）

得子さんに言葉攻めされてゾクゾクしたり、おいたん斬らされて傷心中の清盛いびってゾクゾクしたり……しかも、鳥羽ちゃんは無自覚だったけど、ゴッシーは「俺は変態ＳＭプレイが大好きだ！」と清々しいほどに自覚してて、より刺激的なプレイができるなら冠位だって平気で投げだしちゃうんだから、鳥羽ちゃんより性質が悪い！

まぁ、エキサイトっぷりは鳥羽ちゃんに比べるとまだまだですが（爆）
鳥羽ちゃん並の上級者になれることを祈っております。

ということで、今回も楽しめました。これからもこの調子で政争を描いていって欲しいものです。