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雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。

   

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リバティーン(ネタバレあり)


「初めにことわっておく。諸君は私を好きになるまい。男は嫉妬し、女は拒絶し物語が進むにつれてどんどん私を嫌いになる。

 淑女達に警告。私はところかまわず女を抱ける。
 紳氏諸君も嘆くことなかれ。私はそっちもいけるから気をつけろ」

「諸君、どうかこんな私を好きにならないでくれ」


こんな主人公の独白から始まる「リバティーン」を鑑賞しました。

いやぁ、冒頭の独白からして凄いです。軽く18禁です。
けど「紳士諸君も嘆くことなかれ。私はソッチもいける」と腐女子の心を軽く揺さぶるようなことをほざきますね、平田ヴォイスで!!

ああ…平田ヴォイスで男色を語られるとクラクラするvvv(←役者を見て下さい)

……と、こんな独白から(どんな独白よ?)話は始まる訳ですが、これは正直一般受しない話ですね。
話は全体的に暗く陰鬱で、科白も演劇が原作のものであるが故に難解で……こりゃ見る人選ぶな。

それに主人公がね。最高に捻れている皮肉屋な上に、モラルに欠けた下品で退廃的な人間なんですよねぇ(言い過ぎに聞こえるかもしれませんが、本当に端的に言うとこう感じなんです)
口を開けば18禁ばりの下ネタで何かを貶してばかりだし、奥さんに対して扱いが酷すぎるし、愛人(男も含む)もいるし、挙げ句遊びすぎた結果梅毒にかかるしで……。

けれど、最後まで見てしまったのは、そんな彼に説明できない暗い魅力があったからだろうなぁ。

なんかねぇ、憎めないんですよ。
やってることは滅茶苦茶でどうしようもないのに。

ジョニーデップの体当たり演技もあるのかなぁ。
普通、ああいうキャラが魅力的に見えるはずはないのに、彼が演じると「本当は凄く純粋で繊細な人なんだろうな」と思わせるんですから。

と、言っても、実を言えばこの伯爵、ジョニーデップでより、国王役で出てたジョン・マルコヴィッチで見たかったなぁと思ってたり。

確かにジョニーデップの演技は良かったですが……どうもイヤらしくならない。ってか綺麗過ぎるんですよね。
マルコヴィッチだったら、もっと退廃的で破滅的な色悪になってたんじゃないかなぁと…。
(どうでもいいですが、私の中では一番色気のある流し目が出来るハリウッドスターはマルコヴィッチだったりします。彼の流し目はヤバイです、いやらしすぎvv)

あと全体的に見て、彼は寂しがり屋なんだなと思いました。

全部皮肉って、本物なんてありはしないのさと最初から期待しないことで、その関係や栄光が壊れた時に傷つきたくなかったような…。
そのくせ、破天荒なことを繰り返すことで逆に愛されたがっていたような…。

特に最後の独白を聞いてると強く思いました。

「これでも、私が好きか? 好きか? これでもまだ私が……好きか?」

ここまで、強烈な「愛してくれ」という言葉はなかなかないなと思います。
本当に彼は愛されたかったんでしょうね。

と、そのへんを考えるのはとても興味深かったです。
あと、奥さんがね……。
強い人だなと思いましたよ。梅毒でボロボロになった夫を優しく抱いて看取るところなんてね、……凄いなと。

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