壱号ブログ
雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。
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「芋虫」漫画版 感想
「 私はおぞましい淫婦だ 」
世界を震撼させた受賞作『パノラマ島綺譚』に続き、漫画界の魔神・丸尾末広が再び挑むは、巨星・乱歩の全作中…いや、日本文学史上、最凶の問題作。妖美極まる驚愕の画力で描く、比類無き怪奇と戦慄に満ちた、愛欲の地獄。
近くの本屋にあったから、買っちゃったv
>web拍手レス
3月4日23:51 不可解な男シリーズ大好きです! の方
拍手&不可解な男シリーズを気に入って下さったようでありがとうございます。最近はBLじゃない話を亀更新だったり何だりと非常にまったり活動ではありますが、どうぞこれからもこのシリーズをよろしくお願いします!
ということで、あれだけイメージブチ壊れたらどうしようだなんだぶちぶち言ってたくせに、好奇心という誘惑にあっさり負けて購入いたしました、「芋虫」漫画版。
この作家さん、今回初めて知った方なんですが、絵柄の独創性が凄いですね。
少年漫画だのBL漫画(←?!)だのばかり読んでるから余計にそう感じるのかもしれませんが、とにかくとっても個性的。
古めかしく汚く醜くおぞましく……けれど何処か耽美でエロティック。
なんでこの人が選ばれたのか得心しました。確かにこの人は乱歩の世界観に合ってる。
で、全体的な感想ですが、良かったと思います。完璧イメージ通り! って訳ではありませんでしたが(私の中では中尉は三十前後だったので、結構歳いってそうな中尉に吃驚! とか)、原作の世界観を崩すことなく、赤裸々に表現していたと思います。ええ、そりゃもう赤裸々に!
まさかここまで容赦なく、「芋虫」な中尉の様や彼と時子さんとの濡れ場を再現するとは思いませんでした。
いやぁこりゃ生理的に受け付けない人はきっと、1ページも読み進められないんじゃないかしらん。そう思うくらい強烈です。
しかしだからこそ、時子さんが旦那との快楽に溺れながらも「自分たちは醜い」と悪夢に魘される気持ちがよく分かる。
(あと原作ではあまり感じなかったんですが、戦争一色の世間を出すことで、「自分たちだけこんなことしてていいんだろうか?」という罪悪感を強く感じました)
でも、この濡れ場シーン。結構私のイメージに近いモノだったので良かったです(いや、ホントはもうちょっと中尉を焦らして苛めたりしt…略)
まぁさすがにバナナは、「その発想はなかった」でしたが(しかしあの与○野晶子もこの一夜漬けバナナを?? 激しく気になりました)、とにかくSM調だったり虐待調に解釈されていなかったのにはほっとしました。
ただ欲を言えば、中尉がイケイケになっちゃった(←?!)時子さんに戸惑う、まだ理性が残っている描写をもっと入れて欲しかったと思います。そういうものが中尉の目に見えたからこそ、時子さんは中尉で遊ぶのに夢中になると同時に疎ましく思った訳ですし。
というか、軍人気質のお堅い中尉を快楽でグズグズにしてしまうところに最大のエロスがあるんじゃ…略
あと、原作にはない付け足し部分……「芋虫」じゃなかった頃の中尉と時子さんシーンも上手く話を引き立てていたと思います。
旦那が戦争ばかりに行っていて独りぼっちで寂しかったという時子さんや五体満足の頼れる亭主関白な中尉っていうのがね、色んな意味で巧かった。
こういうエピがあるからこそ、浮気もしないで旦那にのめり込んでいったことやあんなに自分を付き従えていた旦那を思うがままに出来るという征服欲が映えたように思いました。
中尉の目が潰れた後の描写も分かりやすかったと思います。
勲章を中尉の胸に置きながら五体満足だった頃の中尉の写真に向かって謝ったり、いなくなった中尉を探しに裸足で外に飛び出したり。
一番良かったのはラストの這っていく中尉を茫然と見送るシーンでしょうか。
追いかけたくても何故か追いかけられない。その感じが良く出ていたと思います。
ということでただ一点、中尉が「芋虫」の姿になり果てようとも理性を持った人間だったという描写が弱かったという不満以外は満足でしたし、丸尾さんのセンスに脱帽です。
この人、他にもう一冊。乱歩原作の話を漫画化してるそうですね。それも読んでみようかなぁ。
この作家さん、今回初めて知った方なんですが、絵柄の独創性が凄いですね。
少年漫画だのBL漫画(←?!)だのばかり読んでるから余計にそう感じるのかもしれませんが、とにかくとっても個性的。
古めかしく汚く醜くおぞましく……けれど何処か耽美でエロティック。
なんでこの人が選ばれたのか得心しました。確かにこの人は乱歩の世界観に合ってる。
で、全体的な感想ですが、良かったと思います。完璧イメージ通り! って訳ではありませんでしたが(私の中では中尉は三十前後だったので、結構歳いってそうな中尉に吃驚! とか)、原作の世界観を崩すことなく、赤裸々に表現していたと思います。ええ、そりゃもう赤裸々に!
まさかここまで容赦なく、「芋虫」な中尉の様や彼と時子さんとの濡れ場を再現するとは思いませんでした。
いやぁこりゃ生理的に受け付けない人はきっと、1ページも読み進められないんじゃないかしらん。そう思うくらい強烈です。
しかしだからこそ、時子さんが旦那との快楽に溺れながらも「自分たちは醜い」と悪夢に魘される気持ちがよく分かる。
(あと原作ではあまり感じなかったんですが、戦争一色の世間を出すことで、「自分たちだけこんなことしてていいんだろうか?」という罪悪感を強く感じました)
でも、この濡れ場シーン。結構私のイメージに近いモノだったので良かったです(いや、ホントはもうちょっと中尉を焦らして苛めたりしt…略)
まぁさすがにバナナは、「その発想はなかった」でしたが(しかしあの与○野晶子もこの一夜漬けバナナを?? 激しく気になりました)、とにかくSM調だったり虐待調に解釈されていなかったのにはほっとしました。
ただ欲を言えば、中尉がイケイケになっちゃった(←?!)時子さんに戸惑う、まだ理性が残っている描写をもっと入れて欲しかったと思います。そういうものが中尉の目に見えたからこそ、時子さんは中尉で遊ぶのに夢中になると同時に疎ましく思った訳ですし。
というか、軍人気質のお堅い中尉を快楽でグズグズにしてしまうところに最大のエロスがあるんじゃ…略
あと、原作にはない付け足し部分……「芋虫」じゃなかった頃の中尉と時子さんシーンも上手く話を引き立てていたと思います。
旦那が戦争ばかりに行っていて独りぼっちで寂しかったという時子さんや五体満足の頼れる亭主関白な中尉っていうのがね、色んな意味で巧かった。
こういうエピがあるからこそ、浮気もしないで旦那にのめり込んでいったことやあんなに自分を付き従えていた旦那を思うがままに出来るという征服欲が映えたように思いました。
中尉の目が潰れた後の描写も分かりやすかったと思います。
勲章を中尉の胸に置きながら五体満足だった頃の中尉の写真に向かって謝ったり、いなくなった中尉を探しに裸足で外に飛び出したり。
一番良かったのはラストの這っていく中尉を茫然と見送るシーンでしょうか。
追いかけたくても何故か追いかけられない。その感じが良く出ていたと思います。
ということでただ一点、中尉が「芋虫」の姿になり果てようとも理性を持った人間だったという描写が弱かったという不満以外は満足でしたし、丸尾さんのセンスに脱帽です。
この人、他にもう一冊。乱歩原作の話を漫画化してるそうですね。それも読んでみようかなぁ。
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