壱号ブログ
雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。
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プレステージ(初見感想)微ネタバレ
「 消えていく者には、誰も気に止めない…… 」
【あらすじ】2人の天才マジシャン、アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)はライバルとしてしのぎを削りあう2人だったが、ある舞台でのマジック中、アンジャーが水槽からの脱出に失敗し、ボーデンの目の前で溺死する。翌日、ボーデンは殺人の罪で逮捕され、死刑を宣告される。ボーデンはそこに恐るべきトリックの存在を感じる。これはアンジャーが仕掛けた史上最大のイリュージョンではないのか-。やがて明らかになる驚愕の真実とは?
私の大好きな俳優、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの共演作! ということで大変気になっていた映画だったんですが、ねたばれなしレビューにて、「二人のいがみ合い、足の引っ張り合いが大人げなさ過ぎて…」という文句が多かったのを見てから、見るのを躊躇ってました。
だって、好きな二人がぐじぐじそんなことやってるのを見たくないもの!
が、あのいい男二人なら、足の引っ張り合いでさえも絵になるのではないかと思い(←なんじゃ、そりゃ!)、視聴いたしました!
で、どうだったかと言えば、思っていたよりも二人のいがみ合い、見苦しく見えませんでした。
アンジャーの奥さんが水中脱走のマジック死んでしまった事件をきっかけに、やったらやり返せ!なハンムラビ法典のような応酬でしたがね。
最後のネタバレを見てしまったらねぇ……。
見方が全然変わりますよ。
まぁ、今回は初回視聴感想をば。
宣伝文句から天才マジシャン同士の華麗なイリュージョン対決! と思いきや、奇術(マジック)の魅力に魅せられ、全てを賭けたマジシャンたちの人間ドラマでありました。
マジシャン。私たちはスポットライトと観客の視線一身に浴びながら、観客を鮮やかに騙す華やかな彼らしか知りませんがその裏では……。
表舞台が夢のように華やかであればあるモノほど、その舞台裏は熾烈を極めた陰惨なモノなのですね。
幾つかのマジックが出てきますが(水中脱出や銃弾掴みなど)、鳥籠に入った小鳥を消すマジックには驚きました。
あの種は、本当なんでしょうかねぇ。ただ見ただけならどうなってるんだろう? 種が気になってしょうがないですが、この種を知ってしまっては何とも嫌な気持ちになります。
で、銃弾掴みの種をボーデンが奥さんに披露した時。奥さんは言いました。「凄いと思ったけど、種が分かってしまったら、つまらない」と。
多分、これがこの映画の一番のテーマじゃないかと思います。
他のレビューを読んだ時。アンジャーやボーデンの瞬間移動の種が分かった時。「ありきたり過ぎて面白くなかった」とか「もっと凄い種かと思ってたのに、裏切られた」ということを書いてありましたが、私はこの映画はそうでなくてはならなかったと思いました。
この監督は「映画の結末は絶対に言わないでください」と冒頭でお願いしてますが、それは何もアンジャーたちの種が凄いんだぜ!と自信を持ってるからではなく、ただ“ボーデンの種”に対しての言及だけだと思うし。
(だってこれ、ボーデンの種を知ってるのと知ってないのとじゃ、全然印象が変わります。同じ映画なのに違う映画を観てるような気分になります)
種を知られてしまったら、しらけられる。
それをアンジャーもボーデンもよく知っていました。
だからこそ、あんな常軌を逸してると思える方法を使ってでも自分たちの種を隠し続けたんじゃないでしょうか。特に、実はありきたりな種でしかないという自覚があればなおさら……。
で、種を知ってしまった観客(この映画を観た人たち)は「なんだ、そんな種かよ」って拍子抜けしてしまった。
まさに彼らが怖れていた通りの結末です。
けれど、彼らはそれに固執しすぎてしまった。
そのせいで、自分の私生活、人生さえもマジックの伏線にしてしまい、破滅の道を転がり落ちて……。
ここに彼らの悲哀を感じるので、二人の種について私は肯定派であります。
ということで、この映画。私的にはとても当たりでした!
主役二人も素晴らしかったですし。
……と、ここまでが初見感想。
次回は腐女子フィルターの掛かりまくった、ネタバレ後の視聴感想をば!
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