壱号ブログ
雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。
- 2025.02.02 [PR]
- 2007.05.11 ドッグヴィル(ねたばれ注意)
- 2007.04.21 忍空-ナイフの墓標-(ネタバレ)
- 2007.04.16 クルーシブル(激ネタバレ)
- 2007.04.11 ホリデイ(ネタバレあり)
- 2007.04.02 奇跡の海<激ネタバレ>
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ドッグヴィル(ねたばれ注意)
「一人の美しい逃亡者が現れ、一つの村が消えた……」
【ストーリー】アメリカ・ロッキー山脈の村に、ひとりの女グレースがギャングに追われて逃げ込んでくる。初めは彼女をいぶかしむ村人たちだが、2週間で村人全員に気に入られることを条件に村に留まることを承認。献身的な肉体労働をこなすグレースだが、警察に手配されていることが発覚し、事態は急転する。
だだっ広い倉庫のような空間に、いくつかの家具を除いては、すべての家や道、犬までが床に白線で描かれているだけ。簡略化した舞台セットのような背景……っていうのに最初吃驚しましたが、これはこれで、この村の様子を上手く表現してるんだろうなと話が進んでいくうちに思うようになったり。
(外との関わりを切り離してる閉鎖感、住人の生活なんて全部筒抜け、でも、見てみない振り…みたいな感じが)
人間一度たがが外れるとここまで、非道になれるものかと主人公グレースを虐待または奴隷として扱う村人たちに呆れたり、自分の何処かにもこんな一面が?と後ろめたくなったりもしましたが、ここまで酷いことになったのはグレース自身にも責任があったように思えました。
匿ってもらってるという引け目もありましたが、グレースは村人たちの何もかも(どう見ても村人の方が悪いことであっても)を赦していました。
「きっとあなたはいらいらしてて、魔が差したのね」「普段の貧しい生活で欲求不満になって…」「あなたは弱い人だから…」一見すると慈悲深く寛容な行為に見えるけど、よくよく考えてみるとこれは完全に相手を自分より下に見た物言いですよね。
悪いことはやっぱり悪いと言ってあげる方が余程慈悲深いんじゃないのかなぁ。「赦す」ことは素晴らしい行為だと思いますが、何でもかんでもただ赦してるだけだったら、相手は自分が悪いことをしてることにも気付かない上にさらに過ちを繰り返しかねない。
グレースと村人たちがまさにそれで、グレースが何でもかんでも許容し赦してきたから、村人たちは罪悪感も覚えずグレースへの仕打ちをエスカレートさせていってしまったんではないかと……。
で、この映画のテーマ(?)ともいうべき「傲慢」
この映画を観終わって最初に思ったのは、昔受けた哲学の授業でした。
確か、カントだったと思うんですが、おいはぎにあって怪我をして倒れた旅人とその前を通る人々の反応を通して、結論として、「真の善行とは見返りを求めず、今まで教えられてきた倫理を考えるより先に行う行為である」と説いたって授業。
これを聞いた時は、「え~困ってる人を助けるのは倫理的に当然って考えて助けるのもダメなの?」と思ったものですが、この映画を観て、嗚呼カントは正しかったんだと思うようになりました。
確かにカントのいう善行ってなかなか出来るモンじゃないですけど、強制でもなければ、見返りも求めない行為だからこそ、押しつけがましくなくて、「親切にしてやってるんだ」って傲慢な考えも抱かない訳ですから。
村人たちはグレースを匿ってやってるんだから、見返りがあって当然と考え、
グレースはここまで誠意を見せてやったんだから、村人たちは自分を受け入れるか、あるいは”少しは”今よりましな人間として改心して当然と考えていました。
その結果、村人たちは見返りを求めすぎてグレースを虐待し、
グレースは自分がどれだけ血を吐くような想いで赦し続けても愚かで居続ける村人たちに失望と怒りをもって、村を消し去ってしまう…。
本当の善意って何なのか、考えさせられる映画でした。
因みに、グレース役を演じていたニコール・キッドマン。本当に美人です。
ほとんど汚い身なりで、最後の方奴隷のような扱いを受けるところなんて、普通小汚く見えるもんですが、どうしてどうして、ずっと綺麗で美しいまま(に見える)
薄暗く、陰惨な情景の中で彼女がいるところだけ、ぱっと光が差してるような。
彼女あったればこその映画でしたね。
忍空-ナイフの墓標-(ネタバレ)
アニメ忍空映画!
絶対面白いから見てねvvvとのことでしたが、はてさてどんなもんかと放映時間を見たら40分弱……短ッッッ!!!!!!。
で、率直な感想ですが、…………面白かったです(←何?この間)
アニメ忍空は色々な理由から倦厭してたんですがね。ストーリーもシンプルで王道ながら良かったし、何より、私の好きな人たちしか出てきていない(酷)
いや、私、実のところを言えばペンギンのヒロユキや里穂子、あんまり好きじゃないんです(特にアニメのが)煩かったり、何だり……ってか、あの三人だけで充分っていうか(ますます酷)あ~でも、黄純や赤雷とかなら別に…(←?!)
なので、今回あの三人だけで行動!ってだけでかなり好感触v
ってか、この映画の三人さんの掛け合いがいいですねぇ。
何処までも暢気で何も考えてないようでいて結構周りが見えてる風助&橙次と、しっかりしてるように見えてあんまり周りが見えてない挙げ句二人に微妙に虐げられてる藍眺(←?!)の掛け合いが愛を感じます(←??)
で、今回一番眼がいってしまったのはやはり、橙次。
さつきづき氏に頼まれたからとはいえ、彼を受にして脳内であんなことやこんなことした挙げ句、藍橙SSなんてものを書いちゃったものですから(詳しくはさつきづき氏のサイトにて)、最初はごめんなさいごめんなさいと低頭しながら見てたんですが……なんて良いキャラ!!
最初の藍眺との会話からきてたんですが、男に化けてる女の子の胸をいきなり揉んで「間違いねぇ、女だv」とあっけらかんと言ってのけたとこで、ズガガンと!!(←????)
そのあとも飄々さ加減や笑顔や小杉ヴォイスがステキでね、ホント………最後褌にならなければ褌にならなければ褌にならなければ(三度言ってみる)
しかし、何げに藍眺とのボディタッチが多いことにちょっと吃驚。
で、これを見て、改めて橙次は受けだと力強く思ったのは変ですか?(誰に聞いてる)
まぁ、とにもかくにも結構楽しめたのでよかったです。
これを見てるとこを誰かに見られるのはなんか猛烈恥ずかしかったですが……。
………って、あれ?これ、映画じゃないんですか?さつきづき氏。そうですか(←それだけ?!)
「温泉だ、こりゃぁ」とはしゃぐシーンも可愛かったと思いますが、私的には空蛇掌して温泉が噴き出して吹っ飛んだのを藍眺が受け止めたシーンの方が、そこはかとなくきたよ、えへv(←えへvって…)
因みに、昨日発芽してたクローバーの芽ですが……、
1日でこんなに伸びました!
相変わらず、イチゴちゃんはうんともすんとも……略
>web拍手レス
4月20日9:37に拍手してくださった方
久々アップの一鷹SSに拍手を下さってありがとうございます!
そして、あんなに停滞していたというのに、あのようなコメントを下さって感激です!物凄くありがたいことです、一鷹は私のBL書きの原点ともいうべきカプなので、余計に~!
続きも、今回ほど間が開かないようにアップ出来るよう、頑張っていきますです!
クルーシブル(激ネタバレ)
で、あるにはあったんですけど、忍空ビデオだけ持ってカウンターに向かう勇気は私にはなかったので、他のビデオも借りてきました。
(どうでもいいですけど、「バッド・エディケーション」がラブロマンスの棚に置かれてるのってどうなんでしょう??)
17世紀の後半、マサチューセッツ州セイラム。真面目で誠実な農夫のジョン(ダニエル・デイ・ルイス)は妻エリザベス(ジョアン・アレン)がありながら、召使の少女アビゲイル(ウィノナ・ライダー)と一夜の情事を交わしてしまう。
そのことを知ったエリザベスはアビゲイルを解雇。しかし、性の快楽に目覚めてしまったアビゲイルは、ジョンを我が物にすべくエリザベスを魔女としてでっちあげていく…。
現代の意味は「るつぼ」とか。というか…「どつぼ」のような気もしないでもないですが…。
とにかく色んな意味で怖い映画でした。
女の執念の怖さというか、宗教の怖さというか……まぁ、どちらも盲目的であることに変わりありませんが。
このジョンに恋心を抱いている少女アビゲイルが本当に怖いです。
愛しのジョンを手に入れるためなら何だってやってのける。何故なら、ジョンは本当は奥さんではなく自分の方を愛しているのだと信じて疑わないから。
ジョンがアビゲイルに手を出した経緯については過去のことして語られるだけで、実際どうだったのか分かりませんが、病弱で淡泊な奥さんの看病疲れしているジョンにアビゲイルがつけ込んだ……みたいです。
まぁ、だからといって浮気はいけません。
ジョンもそれは重々分かっていて、一夜の過ちとはいえ、非常に後悔していて、もう二度と過ちは繰り返さないと誓っています(「欲望に負けて、またお前に手を伸ばすくらいなら、その前にその手を斬り落とす」というくらい)
しかし、アビゲイルはそんなジョンの言葉に聞く耳を持ちません。あなたの本心は違うはず。あなたは奥さんが怖いだけ。本当は私を愛してるんでしょう?みたいな感じで。
ホリデイ(ネタバレあり)
友人に誘われて、久々に映画見に行ってきました。
最初は「デジャヴ」を見ようと言っていたんですが、時間の関係上、ホリデイに。
大衆受けのラブロマンスの香りがぷんぷんしていて、あまり期待していたなかったのですが、予想以上に面白かった!
確かに予想通り、先の読める王道パターンではありましたがね、最近ひねくった映画ばっか見てたから、その反動か何なのか、妙に嵌りました。
多分、主要メンバー四人のキャラがそれぞれ好みだったのが大きかったのかも。
女性陣二人はとても愛らしくて、可愛かったし、男性陣もそれぞれの個性を生かしたいい男っぷりでしたし。
特に今回見直したのがジュード・ロウ!!
今まで彼のイメージは結構悪かったんです。リプリーやオスカーの彼はとんでもありませんから(コールド・マウンテンはステキでしたが、前二作があまりに強烈過ぎて)
しかし今回の優しくて包容力のある好青年っぷりは実によかったvv
で、ラスト、ヒロインが戻って来てみると独り泣いてたってところがね、もう~かなりズキュンと(死語)来ましたよ!!!!!
で、逆になんだよ、こいつ!とずっと思っていたのが、二股男ジャスパー!
アイリスがなかなかジャスパーを忘れられないことをいいことに、三年間気を持たせ続けた挙げ句に、本命とはちゃっかり婚約すんですから。
さらに婚約しておきながら、「君がいないと僕は駄目なんだ。君を失いたくない」って……ふざけんじゃねぇよ!!!!!と。
なので、最後。アイリスががつんと振ってやった時は物凄く爽快な気分でした。
他にも良いキャラがいっぱいいました。元有名脚本家のじいさんとか、可愛いおちびちゃんたちとか、何故か一瞬登場の超大物俳優さんとか(笑)
と、いうことでこの映画は私的にはあたりでした。
奇跡の海<激ネタバレ>
海底油田採掘場で働くヤンと結婚し、幸福な生活を送っていた。だが、ある日、油田の爆発事故でヤンが全身麻痺になり、ヤンはベスに愛人をつくるよう強要し始めるが…。
厳しい戒律に縛られ、真の信仰を見失っている村人や自らの欲望からベスを追いこんでいくヤンの醜悪さ。何ものにもとらわれない無垢な心で、愛する夫のために命をも差し出すベスの強さが対照的に描かれている。人間がもつ強さや弱さ、醜悪さや気高さを否応なしに突きつけてくる衝撃的な作品。 (アマゾンより)
「奇跡の海」
なんて、あらすじやよそ様の賛否両論の烈しさを読んで一体どんな話なんだろうと借りて見た訳ですが、はっきり言うと私は結構意見の多かった、悲惨で救いようのない話だとは思いませんでした。
だって、この映画凄く愛に溢れていたと思うんですよ。最初から最後まで。
あらすじを読んだ時、自分が全身麻痺になって抱いてやれなくなったからって他の男と寝るように強要するなんてなんて旦那だよ、ベスのこと本当に愛してるのかよ!と思ったものですが、実際に映画を観てみると、そう言わざるをえなかったヤンの辛い心境がひしひしと伝わってきました。
このヤンという人は酷く、懐の広い人だと思います。
「片時も離れていたくないの!」と言わんばかりの烈しすぎるベスからの愛を、うっとおしがることも恐怖し逃げ出すこともなく、優しく包み込みます。
そして、一番ベスのことを真っ直ぐに見詰めて理解し、愛している。
一番親しい義理姉が「あの子は弱い。そして頭が可笑しいの!」という言葉に「違う。彼女は強いんだ。だから、全てを欲しがってしまう」と答える程、とても大事に思ってるんです。
だから、治る見込みのない上にいつ死んでも可笑しくない自分のせいで、ベスの人生を潰したくなかった。別の相手を見つけて、幸せになって欲しかった。
それにこの時、ベスは自分が神に「ヤンを早く戻して下さい」と祈ったから、ヤンが怪我をしたのだと思い込んで、罪悪感に苛まれていました。
そんなベスを置いて自分が死んでしまったら、ベスは自分をどれだけ責めるか分からない。
だから、強引にでも愛人を作れと言ったんだと思います。
お前が他の男とセックスすることで、俺が救われるんだと言って。
しかし、ベスはそれを自分が別の男と寝る(=犠牲)によってヤンが救われる、と解釈して男を誘惑していきます。
で、結果的にこの話は、哀しい結末を迎えます。
ベスは夫の言うとおり、娼婦のように他の男に抱かれていく上で暴行に遭い、ついに命を落としてしまう訳ですから。
しかも、「私は全部間違っていた」と呟いて。
でも、あの時。ベスは初めてヤンの本当の気持ちを理解したんじゃないかと思ったんですよね。
ヤンと同じ立場に置かれて。
だから、「全部間違っていた」と嘆きつつも、ヤンからの愛を強く感じながら死んでいったんじゃないかなぁ。
そう思うと、あのシーンでは涙は出ませんでした。
けれど、その後。奇跡的に回復してベスの亡骸に縋り付き泣く、ヤンのシーンが一番哀しかった。
自分はベスをこんなふうにしたかったんじゃないという気持ちがひしひしと伝わってきまして。
だから、最後にベスを水葬した時、天から鳴り響いた鐘の音。
あれは天国に迎えられていくベスへの神からの祝福などではなくて、ベスからヤンへの祝福だったように思えました。
……ということで、私的には結構好みの話だったと思います。
ベス役の女優さんの演技が素晴らしく、見応えがありましたし。
ただ、おしむらく………どうして、これ吹替版はないんだt…略。