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雨月のブログです。BLサイト「イチゴウニゴウ。」運営中。

   

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ハンニバル・ライジング②(ネタバレあり)

前回の「ハンニバル・ライジング」感想文は、あまりにも酷すぎるレディ・ムラサキの日本講釈ばかりが気になって、そのことばかり書いてしまったので、今回は書けなかったレクター青年感想を(いい? いや、そう言わずに…)

私が初めてレクター博士を知ったのは、友人I氏に勧められて見た「羊たちの沈黙」にて。
とても凄いキャラが出ていると力説されて見たのですが、どうしてどうして! 友人の言ったとおり、すんごい濃くて、いかれた……けれどとても魅力的な彼がいました。

物静かで博識にして、紳士。
けれど、渾名は「人喰いハンニバル」

多分あれは演じたアンソニー・ホプキンスの力量が大きいと思います。
普通の人が演じれば、ただの気取ったサイコパスになるところを、彼の素晴らしい演技力で、彼の薄気味悪い微笑の向こう側に、陰惨にして深淵な底なし沼が見えたからだと思うんです。
そこには、通常の人間の思考なんて到底及びもしない狂気がある……つまり、普通の人間とは違う次元の存在なんだ、ぐらいにまで私は思っていたので、今回のレクター博士の狂気が培われた原点を見た時は……はっきり言って納得出来ませんでした。

確かに環境や体験が人の心を変化させる。

理屈は分かるんですが、レクター博士のアレは環境や体験によって生まれたモノというより、生まれ持った才能(?)としてくれた方がよっぽど私的には納得いきました。
というか、今回復讐なんてとても人間味溢れる理由が殺害動機になっているため、どうもレクター青年の異常さが伝わってこない。
さらに前半妹をこよなく愛する優しい兄貴な処を見ていたり、殺してく相手も悪人ばかりだし、でちょっと正当性さえ感じてしまったり…。

駄目だよ! これじゃ!
理解出来ないよ! そんなの!!! と叫びたくなるのがレクター博士なのに!(←褒め言葉です)

で、結局最後は復讐続けて、終わったら、いつの間にか人間頬肉の味に目覚めちゃって、色々あって今に至るって感じなのかなぁ……。嫌だなぁ、それ。

確かにはっきりとした原因、理由があってこの狂気が生まれたっていう後天的なのも、一種ありだと思います。
けど、理由も何もなく、 まるで天から与えられた才能のごとく……な先天的な狂気で描いて欲しかったなぁ…。



さて、たくさんの拍手を頂きまして、ありがとうございます!
現在同時進行で二つの話を連載中ですが、この拍手パワーを活力にどちらも頑張ってラストまで疾走させていけたらと思っております!

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ハンニバル・ライジング(ネタバレあり)

 「美味そうだ……」

ハンニバル・ライジング 完全版 プレミアム・エディション

【ストーリー】:『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『レッド・ドラゴン』、トマス・ハリス原作シリーズ最新作! 天才精神科医にして芸術的な殺人鬼=ハンニバル・レクター博士。
映画史上にその名を刻む“怪物”ここに誕生〈ライジング〉。 
1952年リトアニア。戦争で家族と死に別れ、記憶の一部を失ってしまったハンニバル・レクターは、ソ連の孤児院での厳しい制裁から逃れるため、唯一の血の繋がりを頼りに叔父の住むパリへと逃亡。そこでレクターは、後の彼の人格形成に影響を与えることになる、美しい日本女性との出会いを果たす。ある日、市場で彼女が侮辱を受けたことをきっかけに、彼の封印されていた闇の扉が開き、内なる狂気が葬り去られた記憶とともに目覚めていくのだった・・・。

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・・・つづきはこちら

カポーティ(ネタバレ注意)

昨日、一生懸命に書いた映画「カポーティ」の感想文がぶっ飛んでしまいました(号泣)
うううう……かなりいっぱい書いたのに!

とりあえず、おおまかに言うとこう言いたかったんですよ。

小説家が主人公だったので、私も物語を書いたことのあるはしくれの立場で試聴ししました。

で、書き手がモノを書く時何を一番大事にするかって、(少なくとも私は)登場人物たちの幸せより、いかに話を面白くするかってことだから、話が面白くなるなら、書き手は平気で登場人物たちを不幸に陥れたり出来る。

特に死にネタなんて書いた日には、最初から殺す気で書いてる訳で、そのキャラの死を盛り上げるために話を書いていくので、そのキャラが死ななければ話が終わらないので、たとえ書いてる間に愛着が芽生えても最終的に話を書き上げるためにはなくなく殺すしかない。

カポーティは結構↑のような考え方に近い考えの作家でした。
だから、彼の気持ちが分からない訳じゃないんですが、私と彼の決定的な違いは登場人物が空想の人物ではなく、自分と同じ現実の…生きている人間だったということ。

そうなってくると話は全然違ってきます。

喩えて言うなら、私の書いてる「不可解な男」シリーズの人たちは実は実在していて、彼らを元に私は話を書いていて……
私(う~ん、このままじゃあんまり面白い話にならないな。そうだ、氷山氏をそそのかして、燎さんにちょっかい出して貰おう!)
ってやるのと同じコトです。
それは絶対してはいけないことです。自分の創作…エゴのために他人の人生を不幸に陥れて劇的にするなんてねぇ。

カポーティは対峙してる相手を生身の人間だとは思ってなかったのかもしれません。
おそらく、感覚的に自分の物語の登場人物と直接話してるって感覚だったのかも…。

そして、作品を完成させるために彼を見捨て、絞首台に送り、彼の処刑を見て初めて、彼はノンフィクションとフィクションの違いを痛感したんじゃないんでしょうか。

面白くて、いい話が書きたい。万民に認められる作品を書きたい。
そして、そのネタを見つけた時の高揚感。

分からない訳じゃありません。けれど……嗚呼、創作とは?について深く考えさせられる映画でした。


……って、なんだかんだで長々と書いちゃったな、また。


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トーク・トゥ・ハー(劇中劇&ミーハー感想)

何処にでもあるようなカフェの一室で、夢遊病者のように眼を瞑り、踊り狂う二人の女性と、
その内一人の女性が躓いて転ばないようにと必死で彼女の前から椅子をどけていく男性。

カフェ・ミュラー…。
「トーク・トゥ・ハー」の冒頭で流れる演目なのですが、これ実際にある舞台なんですね。

初めてこの冒頭を見た時は、あまりに突然のことに「は?」となるばかりで、演技の趣旨が全く理解出来なくて、意味不明だったのですが、改めて見返してみると……なんか、鬼束ちひろの「私とワルツを」を何故か思い出しました。

眼を瞑って、自分を囲む世界を遮断し、自分だけの世界で独り苦悶の表情で踊り続ける女性たち。

一人は、障害物も何もないところで踊っているので、何かに躓いて転ぶこともないため、誰にも気に留めて貰うことなく独り延々と踊り続け、

もう一人は、障害物(椅子)の多い処で踊っているので、男性に椅子をどけて貰えてるから踊れるのだけれど、眼を瞑り、世界を遮断してるため、その男性の存在にさえ気が付けず、やはり独り淋しげに踊り狂う。

そして、彼女に気付いて貰えないと分かっているのかいないのか。懸命に彼女のために椅子をどけ続ける男性。

……この内、一体誰が一番孤独なんでしょうね。

この場面はきっとこの作品のたった一部なんでしょうが、孤独をよく表しているなと思えました。
それで、この映画によく合ってる。

誰にでも置き換えて見れるんですよね。

もし、踊り狂う女性をアリシアにするなら、必死で椅子をどけ続けるのがベニグノ。
また、昨日も言ったように踊り狂う女性をベニグノにして、椅子をどける男性がマルコ…とすることも。

ただ、立場は誰にでも置き換えられても、考えていることは全く違うんでしょうね。

ベニグノなら、目の前で踊るアリシアの一番側で、気付いては貰えなくても彼女の役に立ち続けているこの現状に満足してそう、とか…
マルコなら、転ばないように椅子はどけてやるけれど、出来ることなら眼を覚まして、こちらを見て欲しい。そして、出来ることなら独りで踊るならいっそ一緒に…とまさしく「私とワルツを」なことを思うんじゃないかなとか…

…え? マルコに夢見過ぎ?
だって、好きなんですもの、マルコ!!(←不純すぎる理由)

あの、大人で常識人で……だけど繊細で涙もろくて、どちらかと言うと“愛される”ことよりも“愛する”ことに餓えてる彼が。
俳優さんの演技は勿論、大好きな山路ヴォイスが相乗効果を生んで彼に釘付けでしたvvv

いやぁ、いいよ。山路ヴォイス。
いつもひねた悪者役ばっかやってるのに、こういう不器用で誠実な役やらせても全然素敵vvvv
マルコにもぴったりだったし、あなたのおかげで何倍も映画を楽しめましたよvvv

で、ベニグノやった松本さんもとてもいい味出してましたが……ふと思った。
どうして松本さんってメジャー映画の吹替はほとんど出ないのにこういうマイナー色物映画では頻繁に目にするのか。不思議。

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トーク・トゥ・ハー(ネタバレ注意)


「君の彼女への愛は単なる一人芝居だ……」

トーク・トゥ・ハー スタンダード・エディション

【ストーリー】:事故で昏睡状態になったダンサー、アリシア。彼女を慕うベニグノは、4年間、看護士として親身にアリシアを世話し、語りかけてきた。その頃、女闘牛士のリディアが、競技中に大怪我を負い昏睡に陥った。悲嘆にくれる恋人のマルコを、ベニグノは「彼女に話しかけて」と諭す。愛する女性が同じ境遇にいる2人は、次第に心を通わせていった。そんなある日、アリシアが妊娠していることが発覚する…。 





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