「天地人」総評

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11月22日22:05 ど、どうしたんですか？千ちゃんの欲求不満が～…　の方
拍手＆復讐者ＳＳへのお褒めのお言葉ありがとうございます（笑）千ちゃんに明好けさんの血を輸血するってした時に今回の血液トーク（←なんだ、それ！）を思いついた訳ですが、いざ書いてみたら思った以上にいかがわしくなったので、自分でも吃驚しました。でも、多分ご指摘通り、最近猛烈にご無沙汰だった千ちゃんの欲求不満がそうさせたのかもしれません（笑）
相手の言葉を純粋に信じるというのは、仰る通り普通の生活をしている人にも難しいことだと思います。それを、普通の人より何倍も猜疑心の強い明亮さんが出来るのか。そうして、「悪いことが起こる→全部モトジマンのせい→モトジマンをぶっ殺せ！」な千ちゃん思考回路を変えることが出来るのか。そのへんも合わせて、次回からもよろしくお付き合い下さいませ！


さて、この一年間私を怒りと驚愕の底に叩き落としたトンデモ大河「天地人」もついに先日終わりを迎えました。
今まで、私が最後まで見守り続けた大河ドラマは、毎週私に感動や知識をふんだんに与えてくれたものでしたが、今年の大河には清々しい程、それが一切ありませんでした。

しかし、たった一つだけ。私が今までどうしても理解出来なかった感情を、余すことなく教えてくれました。

それは、「アンチ」の心（←あ～あ～）

ニコ動などでよく見られるそれを、私は当初全く理解出来ませんでした。
嫌なら、無視すればいいのに、わざわざ不快な気持ちになると分かっていて視聴した挙げ句、投稿者さんやその動画を楽しんでいる視聴者が不快になるようなコメントを残す。

一体何がしたいのか？　そんなに嫌なら見なきゃいいだろ！
好きな動画に心ないコメントが流れるたびに、そんな怒りを覚えたものです。

でもね、天地人を見ていて、その気持ちが分かってしまいました。

嫌なら見なきゃいい、だなんて、そんなものは理由にならないと。

私は大河が好きですが、途中で見るのを止めてしまった話はいくつもあります。そして、その後は存在自体忘れて、一切関知しませんでした。

だってね、それぞれ見なくなった理由はありましたが、最終的にこう結論付けていたんですよ。
「これは、自分には合わなかっただけだ。こういう解釈だってあるのだ」と……そう、認めてたんです。自分とは意見や嗜好は違うが、これも歴史を愛する立派な一つの解釈であり、意見なのだと。

でも、天地人は違いました。

自分とは違う別の解釈だと認めることが出来ない。むしろ、好きなモノを踏みにじられるような感覚さえ覚えました。

そう思うとね、そんなモノを公共の電波に乗せて、全国に「これが史実だ！」と発信してることも許せなくなってくる。こんなものを見て、開花される人間が一人でもいたらと思うと、非常に腹立たしい。

だからこそ、こうして非難せずにはいられない。見たら不快になると分かっていながら監視して、喚かずにはいられない……という、嗚呼。

こんな感情、知りたくなかった･ﾟ･(ﾉД`;)･ﾟ･

（とはいえ、ニコ動のアンチコメは今でも反対ですよ？　一動画と大河ドラマじゃ、やっぱり意味合いが違いますからね）

じゃぁ、天地人の何が一体そこまで私に思わせたのか。こっからは、具体的総評です。

まずは、とにもかくにも脚本。これに尽きます。

歴史に興味ない……いや、戦国武将の懸命な生き様を軽蔑しているような方に、よりにもよって、最も漢の美学が凝縮された上杉家を舞台にした脚本を任せた。そこがそもそもの間違いです。

だってね、「仕事よりも家庭が大事！」なんて方に、

自分に厳しく、ストイックにおのが信念を一切のぶれもさせない人間離れした精神力とカリスマ性。そして、その高い理想を実行出来る才覚全てを合わせ持っていたが故に、神とさえ崇められた先代に少しでも近づけたらと足掻く後継者と、その男に生涯を捧げた家臣。

……なんて、ホームドラマとは正反対の世界に生きてる方々の生き様なんて理解出来る訳がない。

で、この大先生が理解出来ないなら、出来ないなりにでも、あくまで史実を描こうと努力をすればまだましだったろうに（例：功名が辻）、その努力を一切放棄し、無理矢理独りよがりな解釈で塗りたぐって、史実をひん曲げまくったもんだから、こんな大惨事になった。

もう、この方にはホントに！　今後一切大河に関わって欲しくないです。


でもね、脚本家がいくらトンデモシナリオを書いたとしても、それが通らなければ別に問題ない訳です。


だが、この脚本は何でか通ってしまった。


……あ、改変させた時もありましたね。

最上＆慶次ファンからの抗議が怖いからって、二人を物語から消去したり、
子ども店長が人気出たからって、子ども店長再登場パートをねじ込んだり、

視聴率狙いや保身ためばかりで、物語の質向上のための改変はまるでなかった…。

そして、撮影が始まる訳ですが……なんてぇか。
今まで脚本のことばかり文句言ってきましたが、他だって実に酷い。

戦闘シーンは飛ばす（あっても武将に馬にさえ乗せない）
場面の殆どがスタジオ撮り、
ちゃっちい上に歴史度外視のセットと役者さんの衣装（現代に親しみやすいように前髪垂らしたとか言ってるようですが、かえって変だっつうの）

で、それらに囲まれて演技する役者さんたちもねぇ。
制作陣の中では被害者だと同情されていましたが、実力よりも話題性重視で集められた方ばっかりだっただけに（健闘されてる方もいらっしゃいましたが）例年に比べ、演技の質は全体的に悪かったと思います。

因みに主役ブッキーですが、長年の大河ファンと言うことで、こんな脚本に当たっちゃったのは同情しますが、ブッキーをイメージして作ったキャラだったってだけに良くも悪くも、この役にブッキーは嵌り役だったと思います。

これは私の勝手なイメージですが、ブッキーは現代の何処にでもいるような若者役が一番嵌る役者さんだと思っています。

女性本能をくすぐる頼りなさ、柔らかさ。真面目で青臭い好青年風情。それらが自然に演じられて、とてもリアリティがある。

で、この兼続はその現代の若者が戦国時代にタイムスリップしちゃったような感じで、あんまりよく分かってないのに、なんか言ったら周囲が異常にヨイショしてくれるから、勘違いしてったって感じ。まぁ、老人の演技はひｄ…略

だから、嵌りすぎていたからこそ、現代の草食系男子が偉そうに戦国武将に的外れな見下し説教する図がもろに見えてしまい、余計むかっ腹が立ったんじゃないかと。裏を返せば、彼には威厳ある重厚感は演じられｎ…略

あと、あんな脚本でやる気が出ないからなのか、何なのか。時々漏れ聞いた出演者たちの噂の酷いこと酷いこと。

胡座がかけないから、正座にしただの（戦国時代、男子は胡座が当たり前。正座してたら、女々しいと笑われていた）
二日酔いで酒の臭いぷんぷんさせながら、現場入りしただの
合戦シーン時汚れるのが嫌だの、重い鎧は着たくないとほざいただの（某主役）

風林火山で、鎧を着るために体重を十キロ増やしたっていう某軍神役の方や、役者人生最後にしてこんな役を貰えたことは幸せだったと熱く語った某サニーのような熱意はないのか！

で、こんなあらゆるやっつけ仕事の上に出来上がった作品。
いくら見ても感動どころか……。

「イケメン出して、腐的会話させときゃ満足なんでしょ？」「まぁこんな間違い、視聴者はきっと知らないしぃ」「ほら、主人公が泣いてるからここは泣き所だ。感動しろよ」と超上から目線で馬鹿にされてるとしか思えない。

しかもそれが、こっちが大好きなモノを何の愛情もなく徒に滅茶苦茶にされ、踏みにじられながらなんだから、洒落にならない。

頼むから金輪際、こんなことは繰り返さないでほしいです。

一年間、じっくりと一人の偉人の生涯を魅せられる番組は、大河ドラマだけです。
どうか、視聴率とかそんなものに重きを置くんじゃなくて、いいものを作ってくんだって気概を持って、また感動出来るドラマを作っていって頂けたらと想います。

大河ドラマで日本史が好きになった、一大河ファンの切なる願いです。